女性が継続して働いたとしたら…得られる収入はどのくらい?
もし女性が順調に働き続けることができたならば、生涯でどのくらいの収入を得ることができるのでしょうか。労働政策研究・研修機構が公表している「ユースフル労働統計2019 ―労働統計加工指標集―」(2017年データ)によると、大学・大学院卒業後から60歳まで就労した場合、
大学・大学院卒の女性の生涯年収(2017年)
フルタイムの正社員(転職あり):2億1,670万円
フルタイムの正社員(転職なし):2億4,660万円
フルタイムの非正社員:1億2,330万円
仮に非正社員であっても、働き続けることで大きな収入を得られることが分かります。ただし実際には再就職も容易ではありません。一度専業主婦を選択すると、仕事のブランクに加えて、子どもの預け先の問題もあります。年齢によっては保育園や学童保育に入る活動が必要となり、最初のステップが非常に困難なのです。年齢的に正社員を断念せざるを得ないケースもあるでしょう。
上述のような雇用形態による給与差も依然として存在します。女性が同年齢の男性と同じくらいの収入を得ることは非常に難しいことであり、働く環境そのものに壁があるのです。
そして一方で、夫の収入に期待したくても、企業の規模や業種により頭打ちの部分もあります。平均的な会社員が高給取りの人と同じように収入を得ることも容易ではありません。つまり、お互いに「夫の年収がもう少し…」「妻も同じくらい稼いでみれば」と指摘するのは、現実を知らない言い方だといえるでしょう。稼ぐことは本当に難しい。その現実を、お互いに思いやることが大切なのではないでしょうか。
参考
『家計の消費を握る、働くママの「ゆとり」と「負担」』しゅふJOB総合研究所調べ
(※1)「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」国税庁
「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数 2020(Global Gender Gap Report 2020)」World Economic Forum
「ユースフル労働統計2019 ―労働統計加工指標集―」労働政策研究・研修機構
「会社員の「生涯年収」、みんなはどれくらい?」LIMO
LIMO編集部