そしてもう1つの理由は、「働くことが楽しい」というものがあります。世界の富豪を見ても、「もう働かなくても一生生きていけるのでは?」と思うようなお金持ちほど、がむしゃらに働いている例は珍しくありません。

「働く」といっても、彼/彼女らは汗水たらして作業をするのではなく、ビジネスを改善したり、次の収益源を作ることに余念がないということなのです。お金のためでなく、楽しいから働くという境地にいるということです。

ビジネスはお金のためだけではありません。目の前のお客さまからの「ありがとう」を集めることに生きがいを感じたり、自分の才能の限界をビジネスで試すようなアスリート的な思考のビジネスマンもいます。いずれにせよ、ビジネスで成功する人は仕事を楽しいと思っていることがほとんどです。

先日、筆者が知っているビジネスをバイアウトした経験のある、スタートアップの社長と話をする機会がありました。彼は若くして大金を稼ぎ、六本木の高級マンションに住んでいる高額所得者です。しかし、ビジネスにのめり込みすぎて、ほとんどお金を使うことはなく、昼ごはんはコンビニ弁当ばかりです。「ビジネスが面白すぎて寝るのがもったいない」といっていました。

高額所得者といえば、高級ワインを片手にのんびりと過ごしているイメージを持っている人もいると思います。しかし、その実彼/彼女らは誰よりも頭の中で忙しく働いているのです。

高級フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」代表 黒坂 岳央