観光も今後は「ローカル」の時代

ニュージーランドの不景気の原因は、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるためのロックダウンに伴う店舗の一時休業や企業閉鎖に限りません。相変わらず続けられている国境封鎖の影響もあるのです。出入国できるのはニュージーランド人か居住者のみで、観光客を受け入れることはできません。

ニュージーランドにとり、観光業は経済上決して無視のできない位置を占める産業です。3月末から旅行者ゼロが続き、国を代表する大人気のアドベンチャーアクティビティには閑古鳥が鳴き、老舗の温泉施設が閉店を決めるなどのニュースが珍しくなくなっています。

5月14日には2020年度の政府予算が発表になり、4億NZドル(約280億円)が観光復興基金として当てられることになりました。またナショナルフラッグキャリアであるニュージーランド航空には9億NZドル(約630億円)の融資を行っています。

従来ニュージーランド人は海外旅行好きです。移住者が多く、海外に親戚や友人がいることもありますが、国内旅行が場合によっては海外旅行をするよりお金がかかることも大きな理由です。

しかし、国境封鎖が当分続くことを明言する政府は、コロナ後の観光業界のターゲットを海外からの旅行者から国内旅行者にシフトしていく計画です。ここしばらくは日常生活だけでなく、旅行やレジャーにおいても「ローカル」がキーワードになりそうです。

クローディアー 真理