中傷相手にあえて謝罪

しかし、そんな日々を続けるうちに、ふと中傷相手に心当たりがある…と思うように。「まだ、掲示板にメディアが晒される前、1度だけ問い合わせ欄からしつけ関係の記事へ指摘がきたことがあって。その相手に私は自分の考えを押し通しました。返信は来なかったのですが、よく考えてみれば、メディアが晒されたのはそれから間もなくだったなって気づいた。」

そこで晴美さんは中傷相手に謝罪文を送りました。「もしかして、以前しつけ関係の記事にご指摘をしてくださった方でしょうか?その節は私が至らなくて不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。もしかしたら、これからもメディアを通じて嫌な思いをさせたり、これは違うと思うことがあるかと思います。その時はまたぜひ、ご指摘ください。色々な考え方や捉え方があること、今回とても勉強になりました。ありがとうございます。」

このメールに対し、中傷相手は「なんのことですか?それ私じゃないですよ。でも、この度は大人げないことをしてしまい、申し訳ございませんでした」と返信を寄せ、それ以来中傷メールは来なったそう。

中傷を受けても晴美さんのような対応がとれる方は少なく、通常は一方的に罵倒されることがほとんど。言葉のナイフを向けられた時、私たちは一体どうやって自分を守っていけばいいのでしょうか。

言葉には人を殺す力も生かす力もある。だからこそ、自分の口から出る言葉に責任を持つ。ネット社会を生きる私たちはそんな決意を胸に抱きつつ自分の言葉にも意識を向けながら、誹謗中傷問題を考えていけたらいいですね。

古川 諭香