日本で「ブラック企業」を生み出しているのは経営者ではない!?その理由とは

労働市場の流動性が悪いからブラック化する

筆者は何社もの会社に勤務した経験があり、そこから言えることは「会社とのマッチングは運次第」ということです。

とある会社では上司とウマが合わず、仕事のパフォーマンスを出すために努力をしていましたが、なかなか認められませんでした。しかし、大きな社内変革があって上司や周囲の人が変わってから、その会社での評価は突然変わりました。自分の仕事ぶりをいきなり高く評価してくれる上司とあたり、社内異動を経て年収アップとキャリアアップを果たす経験をしたのです。

あのまま、ウマが合わない上司のもとで働いていたら、働けど働けど認められることはなかったと思います。そういう意味では、職種との適性もそうですし、会社の人間関係も含めて自分の仕事が有能と認められるか、無能と認められるかは、実力もさることながら「運」の要素もかなり大きいと思うのです。

運悪く、入社した会社の人間関係や振られた仕事の相性が悪ければ、「キャンセル(退職)」というのは合理的な選択です。それは従業員側も時間をムダにしないためにも、利益を出したい経営者にとっても同じです。同一の給与を支払うなら、自分の会社のビジネスに共感してくれ、高いパフォーマンスをあげてくれる人と一緒に仕事をしたいのは当然の話です。それを法律で「キャンセル不可」にされています。

従業員としては能力の適性が合わず、パフォーマンスが出せないまま我慢して働くことになります。経営者もパフォーマンスが低いからといって、簡単にクビにはできません。そうなると生産性があがらず、その結果として長時間労働化してしまい、待っているのが「ブラック企業」なのです。

もちろん世の中には、そもそも従業員を自社の利益を出すためのコマにしか考えないひどい経営者もいます。しかし、労働市場の流動性が高ければ、そのような会社で長く働きたいと考える社員もいないので、職場環境が是正されない限りその会社で働きたい人はいなくなって経営が立ち行かなくなります。

世界はグローバル化しており、会社で働く人のバックグラウンドや価値観も多様化しています。いつまでも旧態依然とした「正社員の解雇が異常なほど守られている」というあり方も、変化が問われているのではないでしょうか。

参考

(※)「アメリカの4月の失業率、世界恐慌以降で最悪の14.7%に 米労働省雇用統計」BBC JAPAN

黒坂 岳央(起業家/投資家/ジャーナリスト)

参考記事

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黒坂 岳央(起業家/投資家/ジャーナリスト)

シカゴの大学へ留学し会計学専攻。大学卒業後、東京で会社員を経て独立。
フルーツギフトのビジネスに乗り出し「肥後庵」を代表。
ビジネスジャーナリスト、作家、講演家。投資家でもあり、株式・国内外の不動産・FX・仮想通貨などに幅広く投資。
資産数十億円超のビリオネアとの投資やビジネス経験を活かして、『年収1億円超の起業家・投資家・自由業そしてサラリーマンが大切にしている習慣 “億超えマインド"で人生は劇的に変わる!』を著書に持つ。
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