その後、3月19日のザラバに付けた16,358円が最安値となっています。これは、2月6日の高値(約24,000円)から見て約▲32%安まで下落したことになります。わずか1カ月半で株価指数が▲32%下落する事態は、紛れもなく「大暴落」と言えます。個別銘柄では、半値以下に下落した優良株も数多く見られました。

ところが、その16,358円を大底に回復基調へ転換し、前述したような株価上昇が続いて今日に至っています。ちなみに、この最安値から見ると、直近高値は+6,500円超の上昇(+40%高)です。

日経平均株価の過去2年の推移

この急回復相場において個人投資家が抱く3つの思惑

こうした株式市場を見て、個人投資家の方々には様々な思惑があるでしょう。大きく分けると、1)なぜこんなに急回復するのか理解できない、2)そろそろ株価は再び急落する気がするので現状の株価水準では手が出せない、3)すっかり上昇相場に乗り遅れたが今からでも間に合うだろうか、の3パターンではないでしょうか。

もちろん、3月の暴落時にリスクを覚悟でエントリーし、今は利益確定のタイミングを計っているという成功者もいるでしょうが、圧倒的な少数派だと推測されます。

コロナショックが払拭されない中での相場急回復、今からでも間に合うのか?

多くの人が、今回の株価上昇を納得できない気持ちで眺めていると考えます。確かに、COVID-19による経済的な大打撃についてはご存知の通りであり、それが企業業績に影響してくるのはこれからです。

さらに、現時点では十分に期待できるワクチンも治療薬も世に出ていない訳ですから、世界大不況を織り込む形で株式相場はもう一段の暴落があるだろう…と考えるのが普通かもしれません。

しかしながら、現実的に株価は急回復しています。株式相場は本当に難しいですね。そして、今後注意しなければならないのが、前述3)で指摘した“上昇相場乗り遅れ組”です。これだけ回復が続くと、“上昇相場乗り遅れ組”となった個人投資家が、今から参戦するのはどうなのかと悩んでいると推察されます。