その1:やるなら住宅ローン減税のメリットを享受してから
住宅ローンを組んでいると、所得税の減税措置を受ける事ができます。消費税増税前の取組なら借入残高の1%が10年間、消費税が10%に増税された後の取組みだと13年間、毎年控除されます。
たった1%と思うかもしれませんが、例えば3,000万円の残高なら30万円が控除されます。最近の住宅ローンのキャンペーン金利は変動金利なら1%を切っていることは珍しくないので、控除適用期間中は実質マイナス金利状態になります。
特に元利均等返済の場合、取組後はしばらく元金がなかなか減らないため、残高ベースで減税が受けられるのはメリットが大きいといえます。
住宅ローン減税をしっかり受けたい場合は、繰り上げ返済のタイミングを考える必要があります。
その2:住宅ローンより低金利の融資商品はないものを心得よ
ローンの重圧を感じやすい人ほどこまめに繰り上げ返済をする傾向にあります。
しかし、無理に繰り上げ返済をしてしまうといざという時に困ってしまうかもしれません。
最近では新型コロナウイルスの感染拡大防止のため休業や辞職を余儀なくされた人も少なくありません。今後、長い返済期間の間に今回のような事態が起こらないとも限りません。そのため、繰り上げ返済をするならば手元には月収6ヶ月分程度の現金は確保しておくことをおすすめします。
繰り上げ返済をしてしまうと、後で手元現金が不足してもやっぱり返して、は通用しません。その分をカードローン等の他の融資商品で工面しようと思っても、住宅ローンのような格安の金利で借り入れることは不可能です。
住宅ローンは、年収や勤め先、健康状態などの厳しい条件をクリアした一部の選ばれた人が借りることのできる格安金利の融資商品です。ですので、住宅ローンを無理に繰り上げ完済したために生活が苦しくなり、他の融資で手当する事態になるのは、本末転倒です。