中国の圧力に揺れる香港、「国家安全法」で再び治安不安定化の恐れ

Thomas Yau / Shutterstock.com

香港で5月24日、中国が導入を目指す国家安全法に抗議する数千人のデモが発生し、これまでに市民180人以上が逮捕された。

中国の「国家安全法」導入をめぐり市民と警察が再び衝突

香港では新型コロナウイルスの感染拡大を防止する目的で、ソーシャルディスタンスや9人以上の集会禁止などが求められている。

しかし、マスクを着用した市民らはペットボトルや傘などを治安部隊に投げ付け、一部はゴミ箱で道路を封鎖するなどした。治安部隊も催涙ガスや放水で応戦するなど、昨年の抗議デモを彷彿とさせる事態となった。

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香港情勢については昨年末にも執筆したが(『”治安のギャップ”が怖い香港情勢、来年も出張・駐在にはリスクあり!?』)、香港では昨年6月以降、逃亡犯条例改正案に反対する大規模な抗議デモが断続的に発生し、国際空港や公共交通機関も一時麻痺する事態となった。

これまでの逮捕者は6000人を超え、警察が市民に向けて使用した催涙弾は1万6000発以上、ゴム弾は1万発以上だったという。また、市民に向けて容赦なく暴力を振るうだけでなく、実弾を人に向けて意図的に発射するなど国際的な非難も高まった。

国家安全法は、国家分裂や政府転覆、テロ行為や外国勢力の介入などを禁止することを目的としており、成立すれば、反政府デモや集会などは違法行為として、当局に発見され次第すぐに逮捕・拘束されることになる。

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OSCアドバイザー/清和大学講師
岐阜女子大学特別研究員、日本安全保障戦略研究所(SSRI)研究員、日本安全保障・危機管理学会主任研究員などを兼務。
専門分野は国際政治学、安全保障論、国際テロリズム論。日本安全保障・危機管理学会奨励賞を受賞(2014年5月)、著書に『テロ、誘拐、脅迫 海外リスクの実態と対策』(同文館2015年7月)、『「技術」が変える戦争と平和』(芙蓉書房2018年9月)など。研究プロフィールはこちら