”治安のギャップ”が怖い香港情勢、来年も出張・駐在にはリスクあり!?

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香港では6月以降、逃亡犯条例改正案に端を発した抗議デモが続いている。香港警察によると、これまでの逮捕者は6000人を超え、うち4割あまりが学生で、警察が市民に向けた使用した催涙弾は1万6000発、ゴム弾は1万発に上るという。

また、警察が至近距離から市民に向けて発砲するなど、国内外から非難の声が強まっている。11月の香港理工大学での立てこもり以降も、警官隊とデモ隊の衝突は断続的に発生しているが、公共交通機関の運行は通常通りに戻っているという。

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平日は日常生活に支障はなかったが…

筆者は、今年8月下旬から1週間ほど香港を訪問した。その当時も断続的に衝突や破壊行為が日本でも報道されていたが、いつでもどこでもそれが発生しているわけではなかった。

抗議デモや衝突などが見られるのは主に金曜夜から日曜にかけての週末で、筆者が滞在した平日(月から木)にそういったものを目撃することはほぼなかった。

実際、香港の犯罪率は東京よりも低いと言われるほどで、8月下旬の平日を現地で過ごしても危険は感じられなかった。香港国際空港と香港駅を約25分で結ぶエアポートエクスプレス、香港島を東西に走るトラム、そして地下鉄やバスも通常通りに動いていた。

繁華街の銅鑼湾(コーズウェイベイ)や尖沙咀(チムサーチョイ)、旺角(モンコック)においても、お店は通常通りの営業で、多くの市民が買い物や食事を楽しんでいた。通常の治安がいい分、デモや暴動のシーンを見ると大きなギャップを感じてしまうくらいだった。

事態が次第にエスカレート

しかし、8月28日、警察による女性デモ参加者への暴力が横行していることに抗議する3万人規模のデモが行われ、筆者は地下鉄港島線の車内で帰宅途中のデモ隊と遭遇した。

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清和大学講師/ オオコシセキュリティコンサルタンツ アドバイザー、岐阜女子大学特別研究員、日本安全保障・危機管理学会主任研究員を兼務。
専門分野は国際政治学、安全保障論、国際テロリズム論。日本安全保障・危機管理学会奨励賞を受賞(2014年5月)、著書に『テロ、誘拐、脅迫 海外リスクの実態と対策』(同文館2015年7月)、『「技術」が変える戦争と平和』(芙蓉書房2018年9月)など。研究プロフィールはこちら