看護師が語る「印象深い最期の選択」…今こそ考えたい「最期をどう生きる?」

やり残したことをやりに行く

20代、30代でやっておくべきこと、というような本がよくあります。筆者もついつい読んでしまうことがあります。誰しも自分が何をすれば幸せになれるか考えるものですし、やりたいこと、やるべきことは無限にあります。そんなときによくすることが高齢の患者さんに「若いうちにやり残したことは?」と聞くことでした。

そんな質問をした人の1人である患者さんは、介護施設で出会った方でガンが見つかったけれども治療をすることを拒否した人でした。

その方は、筆者の質問に『色々あるなあ。外国も行きたかったし、富士山も登るって言って行ってないわ』と答えました。筆者が冗談で「今から行きます?」と言うと『それもええな』と笑いながら話していました。

それだけなら良かったのですが、後日その人は本当に外出許可を取り、富士山へ行っていたのです。とんでもない行動力です。

その後も動けなくなるまでは、精力的に外に出て楽しい時間を過ごしていました。亡くなったあと家族から感謝を伝えられましたが、筆者はなにもしていないと思っています。

患者さん自身に行動力があったからこそ、最期まで楽しむ心があったからこそだと思っています。

悔いのない選択をしていこう

シェイクスピアは「人生は選択の連続だ」という言葉を残していますが、その通りだと思っています。お話しした2人はまったく違う選択をしましたが、筆者個人としては素晴らしい選択だったと思っていますし、当人たちも悔いがなかったのではないかと考えています。

人生は選択の連続。死が近い世の中だからこそ、悔いのない選択をしていきたいですね。

村松 拓(看護師、個人家庭教師、フリーライター)

参考記事

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大病院の看護師を経て、フリーライターをしながら時々個人家庭教師や老人ホームなどの介護施設で看護師として活動。
看護師、講師の経験からデータなど根拠のある記事が得意で、感染症看護や老年期の看護・介護、教育系が得意ジャンル。