目標代替率を使った簡易法で目標額を確認

退職後の年間生活必要資金では、海外で一般的に使われている目標代替率を使ったアプローチを勧めています。

一般には、住宅のリフォーム費用、生活費、娯楽費など個別費用を積み上げていく方法が使われますが、なかなか現実感がありません。それよりも現役時代の生活の何割程度(これが目標代替率となる)で生活できるかを考えることがわかりやすいはずです。

人は一度作り上げた生活水準は退職したからと言って簡単には引き下げられないもので、現役時代の生活水準、特に最終年収が退職後の生活水準を規定すると想定する方法です。

ちなみに、米国では目標代替率として最も多く使われる水準は70-85%といわれています。日本ではフィデリティ退職・投資教育研究所で計算したところ、元のデータにも拠りますが68-72%という結果でした。ざっくり70%というのが日本の目標代替率といえそうです。

出所:フィデリティ退職・投資教育研究所 Viewpoint Vol9 『フィデリティの「退職準備の指標」』2018

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合同会社フィンウェル研究所代表 野尻 哲史