在宅勤務も含めた外出自粛生活が苦ではなかったことも、Cさんの妊活を後押しすることになったと言います。「もし今妊娠したら、出産までずっと夫婦ともに在宅勤務が可能になる。気をつけていれば感染リスクはかなり低いだろうから、そんなに心配していない」と語ります。

「どんなときも妊娠、出産にリスクはある」と考えて妊娠したい

少し楽観的なCさんと比べて、30代半ばDさんは現実的に物事を見た上で妊活を継続しています。Dさんは会社員でコロナ禍でも出勤していましたが、「継続して可能な限り感染しないように気をつけるけど、いつだって妊娠や出産にはリスクが伴うでしょ」と言います。

「コロナを理由にして妊活を先延ばししても、いつ妊娠できるかわからない。数年後に妊活を頑張っても、自分の年齢が上がるから妊娠できなくなっているかもしれないし、来年や再来年にはもっとひどい感染症や別の障害が出てくるかもしれない。あらゆる準備や万全な体制を整えて妊娠や出産に臨むのは、いつだって同じことだと思う」と語りました。

ワクチンができるまで妊活を待つのか、あらゆる準備を整えて妊活するのか。コロナ禍における妊活をどう考えるかは、人それぞれです。正解がないからこそ、「こうでなければいけない」と一つだけの考え方に固執することなく、夫婦や家族と話し合ったり情報を集めたりして、自分たちが納得できる決断をすることが大事になってくるでしょう。

【参考資料】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する日本生殖医学会からの声明(2020年4月1日版)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する日本生殖医学会からの通知 (2020年5月18日版)

富士 みやこ