個人の資産や収支を考える際に避けては通れない住居とその費用。定年後の住居を確保しておきたい「持家派」。それに対して、いつも自由に住む場所を選びたい「賃貸派」。
この「持家派vs賃貸派」論争は常に盛り上がり、その論点は多岐に及ぶ。今回は、それぞれのメリットとデメリットを見た後、公表されたデータをもとに、その論争に決着がついているかどうかを確認してみたい。
持家派のメリット・デメリット
持家派のメリットはどのようなものがあるであろうか。
- 住宅ローン減税が利用できることがある
- 住宅ローン支払い後に住む住居を手にすることができる
- 長期で老後の住居の準備を低金利ではじめることができる
持家派のデメリットはどのようなものがあるであろうか
- 転勤などで手放したり、他人に貸したりしなければならないことがある
- 近隣に迷惑な人が住んでいると簡単に引越ししにくい
- リフォームやメンテナンスに費用が掛かる
続いて、賃貸派についてみていこう。
賃貸派のメリット・デメリット
賃貸派のメリットはどのようなものがあるであろうか。
- 自分で好きな場所を選べる
- お隣さんが嫌でも簡単に引っ越しができる
賃貸派のデメリットはどのようなものがあるか
- 老後の住む場所をいずれ考えなくてはならない
このように、あまりデメリットがないように見える賃貸派。
それがゆえに、持家派より賃貸派の方が声は大きいこともあるが、実際、みんなの行動はどうなのであろうか。
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最新の家計調査に見る年齢別世帯のお金事情
2020年5月15日に公開された総務省の「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2019年(二人以上の世帯)―」をもとに、みんなは「持家」か「賃貸」のどちらを選択しているのかについて見ていきたい。
早速、世代別の持家比率と賃貸比率を見ていくことにしよう。
以下、年齢層別:持家派比率vs賃貸派比率、のように表記していく。
- 20代以下:32.5% vs. 67.5%
- 30代:65.8% vs. 34.2%
- 40代:79.2% vs. 20.8%
- 50代;85.6% vs. 14.4%
- 60代:91.9% vs. 8.1%
- 70代以上:92.2% vs. 7.8%
- 全体平均:84.8% vs. 15.2%
いかがであろうか。
賃貸派が真っ青になる持家比率である。
こうしてみると、賃貸派は少数派に過ぎない。どんなにメリットを叫ぼうが、持家派が圧倒的な比率なのである。
年を重ねるごとに持家派が上昇する事実
このように、20代以下でこそ、持家比率は3割程度であるが、30代になれば約7割が持家派となり、40代では8割がまた持家派である。
定年を迎える60代以上を見ると、9割以上が持家派である。
つまり、賃貸派も年齢が上がるとともに、賃貸派に転向していくということも言える。
この結果を見てどうであろう。
持家派と賃貸派の論争がどんなに盛り上がろうとも、そして賃貸派がどんなに持家派を言い負かそうとも、多くの人は持家を選択していることになる。
みんなはなぜ持家を選択するのか
では、なぜ多くの人は持家を選択するのであろうか。
いくつか理由は考えることができるが、以下のポイントは重要だと考えている。
- 多額の借入を個人が超低金利で借りられるものは住宅以外に見当たらない
- 住宅ローン減税を活用できる
- 生命保険も活用でき、万が一のことがあれば家族に資産を残すことが可能
- 老後に自由に家を借りられなくなるリスクから逃れることができる
こうしてみると、住宅ローンを金融機関にて組むことができること自体が、見方を変えれば、金融機関に認められた安定した年収があるということを証明されたともいうことができる。
もっとも、日本では「住宅を購入する」というが、住宅を買うという行為自体は立派な不動産投資である。
物件の良し悪し、つまり、将来のキャッシュフローに対して割安か割高かを検討して購入を検討しないと、最終的に売却などの選択肢を検討する際に、損をしたということにもなりかねない。
しかし、保険などを掛けることで、住宅ローンを組むことでリスクをヘッジしているという行為とみなすこともできるので、必ずしも純投資をも言えないのである。持家派の行動は保障と投資の混ざった行動ともいえる。
参考資料
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マネー編集部