漫画家の祭さんは、小明神さんとおみくじちゃんというチンチラの夫婦と一緒に生活しています。
「チンチラを飼っている」というと、必ずといっていいほど「ああ、猫ですね!」と言われますが、祭さんが飼っているのは、ねずみのチンチラ。実は、よく知られている猫のチンチラは、ねずみのチンチラに似ている毛をしているために、その名前で呼ばれるようになったのだとか。(余談)
祭さんとの運命の出会いを経て(29話、30話参照)、小明神さんのお嫁さんとしてやってきたおみくじちゃん。いつもは、熱い求愛をする夫の小明神さんを袖にし、飼い主である祭さんを平気で足蹴にしてしまうほど、自由奔放で怖いものなしの彼女ですが、やはりチンチラなので、それなりに臆病な一面も。
ある夏の日の昼。夜行性のため、まだうつらうつらしている状態のチンチラさんたちに、「いい子にしてね」と声をかけて、祭さんは仕事に出かけました。明るいうちに帰るつもりでしたが、思いのほか仕事が長引き帰宅が夜に。「ああ、遅くなっちゃったな」とつぶやきながら街を歩いていると、人が多いことに気が付きました。しかも、大半の人が浴衣姿…?
「あっ!! やばい!! 」
今日が何の日かを思い出した祭さん。大慌てで家に向かって走り出します。息を切らして部屋に駆け込むと、そこにはすでに石と化したおみくじちゃんの姿…。