「首都封鎖!?」デマに慌てる母を安心させるため…

多くの人が思い思いの方法で楽しんだ「オンライン帰省」。なかには、家族間のコミュニケーションの大切さを考えるきっかけになった人もいるようです。

Aさんは、ご主人と子どもと一緒に都内で生活をしています。まだ緊急事態宣言が出される前に、「東京がロックダウン(都市封鎖)される」というデマが流れた時がありました。それに真っ先に反応したのが、他県に住むAさんの母親。

もしロックダウンが行われたら、不自由な生活を強いられるに違いない娘夫婦のことが心配だったのでしょう。Aさんのもとには母親から「実家に帰ってきなさい」という電話が何度も入り、お米や食料品を詰め込んだ段ボール箱が数日おきに送られてきました。

Aさんの実家のある県は、当時はまだ感染者が出ておらず、Aさんが帰省することで逆にウイルスを持ち運んでしまうリスクがありました。さらに、連日送られてくる物資は、Aさんの母親が地元で買い占め同然で調達したものだということが判明。Aさんは、とにかく母親を落ち着かせる必要があると感じました。

Aさんは母親にテレビ電話で連絡し、「自分たちは大丈夫であること」「物資は足りていること」「迷惑にもなる、不要な買いだめや不要不急の荷物の発送はやめてほしいこと」を、丁寧に伝えました。お互いの顔を見ながらの会話を繰り返すうち、Aさんの母親もクールダウンできたようだった、とのこと。

「この連休も、スマホのテレビ電話で『オンライン帰省』し、互いの無事を確かめ合いました。そして、感染拡大が収束したときは、絶対に元気な姿で会おうと約束しました。新型コロナに絡んだ、高齢者狙いの詐欺も多く発生していると聞きます。母のように冷静さを欠いた状態が続けば、うっかり騙されてしまうかも。こんな時だからこそ、離れて暮らす親とのコミュニケーションって特に大切だなと感じました」と語るAさん。きょうだいにも呼び掛け、週に1度は親に近況報告をするようにしているそうです。