株式市場の振り返り-深刻な閑散相場の中、日経平均株価は今年初の6日続伸

2016年7月4日(月)の東京株式市場は続伸となりました。日経平均株価は前日比+0.6%の上昇、TOPIXも+0.6%の上昇で引けています。日経平均株価は今年初の6日続伸となりました。また、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は+2.8%の大幅上昇となり、こちらも6日続伸です。

日経平均株価は、連騰への警戒感などから前日比▲128円安で寄り付きました。しかし、その後は円高が一服したことなどから上昇に転じ、後場の開始間もなくには一時+122円高となる場面がありました。その後、上値が重くなる展開が続いた結果、大引けは+93円高の15,775円で終わっています。急落後の戻りの過程で、今年初の6連騰を記録しました。

東証1部で上昇したのは1,117銘柄、値下がり715銘柄、変わらず135銘柄でした。東証1部の出来高は15億7,950万株、売買代金は1兆6,021億円(概算)となっています。米国が祭日だった影響もあると思いますが、株価指数は上昇したものの、これは深刻な閑散相場です。売買手数料の激減が懸念される証券会社は、今年初の6連騰に喜んでいる場合ではないと思われます。

セクター動向と主要銘柄の動き-33業種中25業種が上昇、内需関連セクターへの買いが優勢

東証1部で上昇したのは25業種、下落したのは8業種でした。業種の騰落に大きな特徴は見られませんでしたが、強いて言えば、内需関連業種への買いが優勢だったことが特徴です。また、下落業種の中では、銀行セクターの不振が目立っています。

個別銘柄では、KDDI(9433)、JT(2914)、ファーストリティリング(9983)、日産自動車(7201)、パナソニック(6752)などの主力株が上昇しました。ライオン(4912)や資生堂(4911)も堅調に推移した一方で、先週末に決算発表を行った良品計画(7453)が大幅下落となり、セブン&アイ・ホールディングス(3382)も値を下げました。また、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)やシマノ(7309)も冴えない動きとなっています。

本日(7月5日)の注目点-Q1決算発表の本格化で動きが出てきた小売セクターに注目が集まる

2016年初の6連騰となった日経平均株価ですが、急落後の戻りの過程で実現したのはやや皮肉です。また、4日は米国の独立記念日であるため、海外投資家の参加者が少なかった可能性があります。その意味では、5日(火)からの動きを本当に注目しましょう。4日は『閑散に売りなし』の相場格言通りだったとも考えられます。

そのような中、動きが出ているのが小売セクターです。2月決算企業が多いため、本格化し始めたQ1決算内容が株価を大きく刺激しているようです。この動きは、7月下旬には3月期決算企業にも広がると予想されますが、5日も先ずは、小売セクターの好決算銘柄で、出遅れ感がある銘柄に着目したいと思います。

青山 諭志