政府は「納税期限の無条件猶予」で中小企業の資金繰り支援を

昨年の申告所得の半分まで融資する、という選択肢も

収入が減ったか否かを調べるのは手間がかかりますが、昨年の収入は税務署に提出された納税申告書を見ればわかります。

今年の収入が減っているか否かにかかわらず、その半額までは融資しましょう。そうすれば、今年の収入を調べる必要がないので、迅速な資金繰り支援が行えますから。

貸出金利を3%程度に設定すれば、資金繰りに困っていない人は借りないでしょうから、必要な人だけに必要な支援が届くことになるはずです。

借り手が倒産してしまった場合には貸し倒れとなりますが、これも上記のように倒産を恐れて融資をしないのは本末転倒だと考えましょう。さらに言えば、「過去に納税された法人税を返してあげた」という考え方も可能かもしれません。

赤字の次に黒字になれば納税義務を免除される制度があるのならば、黒字の次に赤字になれば過去の納税分を返してあげる制度があっても良い、というわけですね。まあ、どうせ戻って来ないなら、そう考えることが気休めになる、といった程度の話ですが(笑)。

ここまで、貸すことだけを論じてきましたが、財政赤字拡大を覚悟したうえで、売上が急減した企業等には資金を給付する、ということも併せて考えるべきでしょう。その場合にも、条件に合っているか否かを今判断するのではなく、1年後に納税申告書を見て判断し、条件を満たした企業等には「貸した金の返済を免除」すれば良いのです。

そう考えると、貸し倒れも気にならなくなります。「非常に困っている企業に返済を免除した」と考えれば良いからです。

本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。

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塚崎 公義

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執筆者
塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。【近著】なんだ、そうなのか! 経済入門』『老後破産しないためのお金の教科書』『経済暴論: 誰も言わなかった「社会とマネー」の奇怪な正体』『一番わかりやすい日本経済入門』『日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由【雑誌寄稿等】Facebook、NewsPicks、アメブロ等にて適宜ご紹介