新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大が止まりません。そんな中、検索エンジン最大手のGoogleが4月、GPSデータを公開しました(※1)。ビッグデータを活用して、人々の移動がどのくらい減少したのか?を可視化するための試みです。
このデータによると、コロナ禍のパンデミック後で、死者の多いイタリアでは職場への移動が54%減少しており、米国についても著しく移動の減少を見せていました(2020年4月26日現在)。米国や欧州は特にコロナ禍で感染者数や死者数の被害が多い地域で、都市によっては厳しい都市封鎖(ロックダウン)体制がしかれています。
日本では外出自粛が叫ばれる中外出する人もおり、国内で「海外は厳しく封鎖して素晴らしい、それに引き換え日本はケシカラン!」という声もあがっています。実態はどうなのでしょうか?
自粛疲れで外出をするニューヨーカー
しかし、New York Timesの記事(※2)によると、「自粛疲れ(quarantine fatigue)」が起きており、米国内で最も被害が大きいニューヨークでも外出する人が増えているといいます。しかも、「自粛疲れが溜まり、より頻繁に、より遠くへ出かけている」とメリーランド大学の研究者が明らかにしています。
ニューヨークの都市を象徴する「ブルックリン橋」で有名なブルックリンにあるFort Greene Park。土曜日にはあちこちでくつろいで過ごすニューヨーカーの姿が見られます。
同記事によると、3月中旬以降は外出する人が減少し、旅行の頻度も減りました。外出自粛の数は数週間安定していたようです。しかし4月14日以降、外出する人が出てきたことをデータが示したといいます。
自粛疲れで思わず外に出てしまうのは、日本人のモラルが特別低いわけでもなく、また日本でだけで起こっている現象ではないようです。