「営業自粛できない」保護猫カフェの叫び

取材時、コロナに対する対応は各都道府県によって違いが見られていました。例えば、愛知県は県からの緊急事態宣言のみが出ており、営業状況は各店舗の判断にゆだねられることに。国からの営業自粛要請が出ていないからこそ、オーナーさんたちはお客さんの安全を守ることと猫の命を紡ぐことを天秤にかけ、苦しい判断を下さねばなりません。

愛知県内にある保護猫カフェY店も、そのひとつ。お店ではコロナの発生前、平日の売り上げは3~4万円、土日祝は10~14万円の売り上げがありました。しかし、コロナの影響が深刻化し始めた3月下旬頃から客数が大幅に減り、現在は平日1~2万円、土日祝で3~4万円の売り上げに。それでも営業し続けているのは、猫たちのお世話代を少しでも賄うためです。「保証もあてにならないので不安です。うちでは食費や治療費、猫砂などの消耗品費に月30万前後かかっていて、現在は貯蓄を切り崩している状態。このままだと、耐えれて半年です。」

店内での感染を防ぐため、お店ではマスクの着用を義務化するなどの配慮を行っていますが、営業を自粛したいのが本音だと語ります。「今、来てくださっている方々はほとんどが常連様。感染のリスクがあるにも関わらず、売り上げを心配して来てくださっている。お客様を守るためにも本当は営業を自粛したい。でも、売り上げがなければ今いる猫たちを助け続けることができません。」

事態が収束するまでは、なんとか耐えたい。そう語る言葉の裏には、どうしたらいいのか分からないという当事者ならではの深い苦悩が見え、心が苦しくなりました。