『セックス・エデュケーション』
連日、Netflixでの日本の視聴ランキング総合TOP10に入っている『愛の不時着』や『梨泰院(イテウォン)クラス』(こちらももちろん面白かった!)といった韓国ドラマに比べると、少し隠れがちになっているのが現状ですが、ここでおすすめしたいのがエイサ・バターフィールド主演の『セックス・エデュケーション』です。
タイトルを日本語に直訳すると「性教育」であり、タイトルそのままに性にまつわるさまざまな考えや感情を持った登場人物たちの高校生活を描いた作品です。つまり普遍的なテーマを掲げ、そのうえで多様な考え方や価値観をもって描いた作品なのですが、今こそ観てほしい作品であるのは、多かれ少なかれ、物理的に目に見えないものや、曖昧さについて考える時間を持つ人が多いだろうと思うからです。
実際、日本社会にとどまらず全世界をこれほど揺るがし、大きく歪めたCOVID-19も、人の目で見て確かめることができず、だからこそ生活であらゆることに神経質になっている側面もあるでしょう。
そんな状況下でこの作品を観ると、目に見えない、見て確かめる方法がない事柄に対して、多少なりとも不寛容な自分に気付かされます。作品を見て、本作のテーマである性について自分でじっくりと考えを巡らせるのも良いでしょうし、今の情勢と重ね合わせて観ると、また違った考えを持つこともできるかもしれません。
本作はシーズン2(各シーズン8話構成)まで公開されており、まずはシーズン1だけ、と観始めるのも良いでしょう。コミカルで笑える描写も多数ありますが、ネタっぽさはないので、一人でじっくりと考えながら観たい人にもおすすめです。
明確な終わりの見えない外出自粛という制限のなかで、現状に対する不満や将来への不安などが募っている人も多いでしょう。ドラマを観ている間だけでも、その世界に入り込み、没頭していろんなことを忘れられるような時間があると良いですね。
【参考】
Netflix
藤枝 あおい