軟調が続く株式相場に心が折れる

2016年に入ってから株式市場は調整を続けています。より正確に言えば、昨年の夏から下落を始めましたので、既に下落相場が1年続いていることになります。

少し前までは「伊藤レポート」「コーポ―レートガバナンス」「ROE革命」「投資元年」などと威勢のいい言葉が叫ばれましたが、今ではすっかり鳴りを潜めました。「デフレからインフレ」という掛け声も怪しくなり、物価は上昇どころかデフレに戻りつつあります。そこに円高です。

ちょっと心が折れてきますよね。

投資家心理は秋の空

しかし、ちょっと考えてみてください。株価は長い目で見ると業績に連動すると言われます。簡単に言えば利益の水準ですね。しかし、利益の変動率よりも株価の変動率の方がとても大きいのが市場の実態です。

このことが示唆しているのは、業績が良くなると市場に楽観論が溢れ、悪くなると悲観論が溢れ、それが循環している、ということに他なりません。

投資家心理は移ろいやすいのです。

下落した相場ほどエキサイティング

読者の皆様も、成功した投資家の話をいろいろ聞いたり読んだりしたことがあるでしょう。成功した投資家に共通していることは、その尺度が何であれ「安いものを買い、高いものを売る」ことを徹底できるかだと思います。

筆者もよく親戚や知人に「相場が崩れて落ち込んでいるのではないか」と聞かれることがあります。

もちろん楽しくはありません。

でも実は下げている時の方が本当は楽しいですし、また知的なチャレンジも生まれます。つまり、業績が悪くなり悲観論が蔓延する時、何が割安なのか考えることが楽しくてしかたありません。スーパーで特売を探すのとまったく同じ気持ちです。

実は筆者が本当にストレスを感じるのは、「下げた時に何を買うのか」明確なイメージが持てない時です。

長期の視点で考えるチャンス

英国のEU離脱、米国の大統領選挙など今年は大きなイベントが続きますので、なかなかリスクを取りにくいというのは間違いないでしょう。しかし景気は循環し、イノベーションで経済の仕組みは変わり、世界の富は増えていきます。

今の悲観論が後退し、景気が循環的に回復したとき、新しい役割を果たす企業はどの企業なのか、イノベーションを担い、あるいはしっかりキャッシュを稼ぐ企業はどれなのか、そうした視点でいつも気になっている銘柄を見直してみてはいかがでしょうか。

相場が悪い時こそ、投資家には発想力が求められますが、ほら話でも構いません。

たとえば、東京オリンピックの時に輝いている企業はどれでしょう、その後もしっかり輝いていそうな企業はどれでしょう。

皆様一人一人に、きらりと光る投資先が見つかることを願っています。

 

LIMO編集部