警察庁は、高齢ドライバーの事故対策として、一定の違反や事故歴のある人を対象に、免許更新時に「実車試験」を導入する方針を打ち出しています。また、自動ブレーキ機能を搭載した安全運転サポート車に限定した免許導入についても、2020年度を目処に検討されています。

これにともない、2020年度中に満65歳以上となる人を対象に、「サポカー補助金制度」が始まりました。歩行者への衝突被害軽減ブレーキやペダルの踏み間違い急発進抑制装置を搭載する「サポカー」や、後付けのペダル踏み間違い急発進抑制装置の購入を対象に、補助金が交付されます。
3月9日から申請の受付が開始されました。

① 歩行者への衝突被害軽減ブレーキ
② ペダルの踏み間違い急発進抑制装置

の両方を搭載している登録車を購入時には、10万円の補助金が交付されます(詳しくは「サポカー補助金とは」)。

高齢ドライバーの悲惨な事故が社会問題化していますが、高齢者の事故、とくに悲惨な死亡事故はどのくらい起こっているのでしょうか。詳しく見てみましょう。

1年間の交通事故件数ってどれくらい?

警察庁の「交通事故統計」によると、2019年の交通事故発生状況は以下の通りです。

死者数:3125人(前年比317人減)
負傷者数:46万1775人(同6万4071人減)
交通事故件数:38万1237件(同4万9364人減)
死亡事故件数:3133件(同316人減)

年齢別の死者数については、以下の通りです。

年齢別の死者数(2019年12月末)

4歳以下:20人
5~9歳:18人
10~14歳:9人
15~19歳:116人
20~24歳:165人
25~29歳:85人
30~34歳:80人
35~39歳:101人
40~44歳:112人
45~49歳:169人
50~54歳:189人
55~59歳:182人
60~64歳:187人
65~69歳:267人
70~74歳:323人
75~79歳:388人
80~84歳:416人
85歳以上:388人

65歳未満は1433人、65歳以上1782人となっています。もっとも多いのは「80~84歳」です。ただ若い年齢層でも「20~24歳」などの多くなっている年齢層もあります。では何が原因で死亡事故に至ってしまったのでしょうか。