たしかに、趣味がないと仕事で行き詰ったときに気持ちの逃げ場がなくなってしまいそうです。仕事を続ける活力を維持するためにも、他のことを忘れて没頭できる趣味を持っておくといいのかもしれません。

「仕事が好奇心を満足させてくれる」

いつまで経っても好奇心を忘れないことが大事だと話すのは、定年を過ぎてもIT企業でバリバリ働くBさん。若い世代以上に知識が豊富で最新のトレンドも把握しているBさんは、勤務先から定年後の再雇用を提案され、継続して働いています。

「こういう業界でやっていくのは簡単じゃないけれど、常に好奇心を忘れないことが大事かなと思う。それがなくなったら仕事なんて少しも面白くなくなってしまう。新しいものを知るのは楽しいし、脳の老化を防ぐと思う」と笑います。

筆者も、360度カメラが世に出始めた頃、Bさんにその仕組みや特徴について実物を手に説明してもらったことがあります。その場にいた誰もが360度カメラを初めて見る中、最年長のBさんがイキイキと説明する姿がとても印象的でした。

「年を取ると新しい物事を知るのが億劫になる人もいるらしいけれど、自分は世の中が変わっていくのを見ているのが楽しい。でも仕事がないとこういうことを知る必要もなくなるだろうし、そうなるとボケてしまいそう。だから仕事っていいなって思うんだよ」と語っていました。

「仕事の垣根を超えた付き合いが楽しい」

士業を営むCさんは、「仕事で知り合った人たちと仲良くするのが長く働き続ける一番の秘訣なのでは」と言います。

「職業柄、仕事とプライベートを分ける必要は感じていない。仲良くなったほうがその人のことがよくわかるし、付き合いも広がっていく。ある社長さんが相談に来て、仲良くなって飲みに行くようになったら同じようなことで困っているほかの社長さんを紹介してくれることもある。そうやって仕事が広がっていく」のだそう。