株式市場の振り返り-日経平均株価は3日続伸、英EU離脱ショックが緩和

2016年6月29日(水)の東京株式市場は上昇となりました。日経平均株価は前日比+1.6%上昇して3日続伸となり、TOPIXも+1.9%上昇して反発しました。また、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は+3.5%の大幅上昇となる3日続伸でした。

日経平均株価は、NY市場の大幅上昇や円高一服を受けて前日比+200円高で寄り付きました。その後、前場の半ばには+75円高まで上げ幅を縮小しましたが、後場に入って再び買いの勢いが強まり、一時は+303円高まで上昇する場面が見られました。大引けに掛けてやや売りに押されましたが、最後は+243円高の15,566円で終わっています。

東証1部で上昇したのは1,635銘柄、値下がり270銘柄、変わらず60銘柄でした。東証1部の出来高は21億88万株、売買代金は2兆2,061億円(概算)となっています。売買の活況感は、一時期の低迷を抜け出して、まずまずというところです。

セクター動向と主要銘柄の動き-33業種中30業種が上昇、内需関連の一角に利益確定売り

東証1部で上昇したのは30業種、下落したのは3業種のみでした。上昇率上位は、前日に下落が目立った輸送用機器や金融関連が目立っています。逆に、下落した業種は小売りなど内需関連であり、週明けからの上昇に対して利益確定が出たと見られます。

個別銘柄では、東京エレクトロン(8035)が大幅上昇となって年初来高値を更新し、ファナック(6954)、トヨタ自動車(7203)、ソフトバンクグループ(9984)、ライオン(4912)、村田製作所(6981)も大きく値を上げました。一方で、ローソン(2651)、しまむら(8227)、J.フロント リテイリング(3086)などの小売株に下落が目立っています。

本日(6月30日)の注目点-相場環境は落ち着きを取り戻しつつある中、内需関連銘柄の下値に注目

先週末の歴史的な急落を経て、日経平均株価は週明け3連騰となりました。この3日間の上げ幅は約+615円となり、先週末の急落分▲1,286円の約半分に達しています。いわゆる“半値戻し”を達成したわけですが、ここからは一層注意が必要です。本格的なリバウンド相場か、下値を試し始める相場かの分岐点です。相場環境は落ち着きを取り戻しつつありますが、一本調子の上昇基調が続くまでには至っていません。取引時間中の値動きにも警戒する必要がありそうです。

そうは言っても、外需セクターの大幅な戻りは期待し難いものがあります。出遅れ感がある内需関連銘柄、あるいは、利益確定売りが出たディフェンシブ銘柄の下値を拾うことを意識したいところです。

青山 諭志