「親元を離れて東京の大学に進学したときも、姉は私立も選択肢に入っていたけれど、私は国公立だけしか許されなかった。なんとか東京の公立大学に進学することができて、奨学金を借りながら自分でバイトをして生活費を稼ぐ日々。姉はというと、実家からの仕送りがあった」と続けるAさん。
「そんなとき、あるネット掲示板で『搾取子と愛玩子』という言葉と過酷な家族のエピソードを見つけてしまった。そこに書かれていることはまさに私そのもので、『私って搾取子だったんだ』と気付いた」と話してくれました。
このように、子どもの頃は親から搾取されていることに気付かなかったというケースは少なくないようです。Aさんが、なぜ自分だけこんなふうに言われなければならないのだろうと苦しんで生きてきたことを思うと、胸が締め付けられる思いです。
夫から「よき妻は夫に尽くす」と”搾取”されることも
「夫は私に尽くすことを求めていた。最初は自分も『尽くすことこそ、よき妻である証拠』と思っていたけれど、たぶん洗脳されていたんだと思う」と話すのは、30代メーカー勤務の女性Bさん。そのことに気づいて離婚に踏み切ったと言います。
「やりがい搾取と似ているけれど、『よき妻=尽くすこと』と刷り込まれて、その理想のよき妻に近づくために絶えず努力させられていた。そのことが搾取かなと思う」とのこと。