国際法を遵守しない中国の影響力が増すのは問題

国際機関には高い中立性と責任が求められ、法の支配や客観的考えに基づいて各国の利害を調整し、国際社会の公益を追求しなければならない。

南シナ海の九段線について、ハーグ仲裁裁判所は、それは無効だとする判決を下したが、中国は全くそれを守っていない。また、尖閣諸島の領有権についても、国際司法裁判所で決着をつけることにも全く動かない。

国際法を遵守しようとしない国が国連で影響力を高めることは大きな問題だろう。

中国のこういったしたたかな姿勢に対して、感染拡大で深刻な被害を被っている欧米諸国は何もできる状況ではない。だが、終息が見え始めれば、中国への非難がいっそう高まる可能性がある。ポストコロナの国際政治はどう展開されていくのだろうか。

和田 大樹