新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大で、今まで経験したことのない状況に向かいつつある世の中。2カ月ほど前にはたくさんの人であふれていた街中も、今は外出を控えることが常識となり、閑散としています。

大半の人が感染拡大の防止につながるようにと不要不急の外出を控えはじめていた中でも、我関せずとばかりに自分の予定を優先しようとしていた人も一定数います。今回は、筆者の身近にいた非常識な行動をしようとする人の話をご紹介したいと思います。

友人の義母のトンデモ話

それはまだ、政府から「緊急事態宣言」が出される前のこと。とはいえ、新型コロナウイルス感染への不安がすでに人々の間に広がっていた時期、友人から驚くような話を聞きました。話の主人公は、その友人の義母。日本各地でコロナ感染者が増えつつある時期に、あえて旅行を敢行しようとしていたそうで…。

友人は、ある日仕事を終えて帰宅した夫から「母親が旅行の計画をしているらしい」と打ち明けられたそう。夫に対しては「ちょっと考えられないんだけど…」と伝えましたが、嫁という立場上、自分が強く反対を唱えることはためらわれました。

友人やその義母が住んでいるのは、その時期はまだ新型コロナウイルスの感染者が比較的少なかった地域。緊張感も不安感も湧いていなかったのでしょう。今でこそ、感染者が少ない地域にいるのであれば、外に出ないことがその地域を守るために必要な行動だというのは容易に想像できるはず。友人の義母は、自分一人の行動がその地域を危険にさらすような事態に発展するかもしれないという可能性まで、まだ想像できなかったのです。

友人は、夫と義父にもう一度説得してくれるようにお願いしたそう。家族の真剣な働きかけと、出発日の1週間ほど前から日本全国の状況が悪化したこともあり、なんとか義母の旅行をキャンセルに持ち込むことができたそうです。