筆者は様々なビジネスを手掛けていますが、その中で「東京大学出身者」の経営者やフリーランスと出会います。彼/彼女らの中には、年収1億円を超えている人がいる一方、300万円前後で時折、アルバイトのような単発の仕事をして生活費を稼ぎながら自分の事業の芽を育てる人もいて、「稼ぐ力」に大きな差を感じます。

学歴の世界では圧倒的な存在感を放つ「東大卒」。しかし、ビジネスの世界においては必ずしも、全員が勝ち組になっているわけではないのです。今回は「稼げない東大卒」に接して感じた共通点をお話しします。

東大卒の平均年収はたしかに高いが…

最高学府・東大卒と言えば、誰もがその名を知っているエリート集団。OpenWorkの「働きがい研究所」(※)が行った調査「出身大学別年収ランキング」によると、東大出身者の30歳時年収は810.9万円となっています。想定年齢が30歳と若いですが、想定年収は800万円以上です。また、30位と240万円ほどの差がついていることからも、「勝ち組」というイメージを持っている人が多くいるものと考えます。
(※)対象:OpenWorkへ登録があった年収および出身大学データのうち、50件以上のデータがあった大学100校、1万8,651人。期間:2018年3月~2019年7月。大学院は除外し、各大学出身者の年収と年齢の分布から30歳時想定年収を算出している。

しかし、東大卒を神格化する人たちからすると、「もっとブッちぎって高収入と思っていた…」という印象を持つ方もいるかもしれません。ここでの平均30歳時年収は626.45万円となっていますが、東大卒だからといって、平均年収の4倍も5倍も稼いでいるわけではないのです。