筆者はそのこと自体はなんとも思っていませんでしたが、「自分と一緒に遊んでいるにも関わらず、こちらの存在を無視するかのように携帯に夢中になっている」という状況に単純に強い不快感を覚えました。

その感覚が強かったからか、今でも仕事やプライベート限らず人と会っているときに会話をせずスマホをいじる行為は相手に対して失礼にあたる気がしています。家で夫や子どもと過ごしているときにコミュニケーションを取ることなくスマホをいじることも、多少の罪悪感があります。これは、多感な時期に携帯黎明期を迎えた筆者世代ならではかもしれません。

「高校受験に合格したら携帯電話を買ってもらえる」という原体験

筆者の家では「高校受験で志望校に合格したら携帯電話を買ってあげる」というルールがありました。それだけでなく、「志望校に落ちたら自分のお小遣いで買いなさい」「高校3年間は親が払うけど、毎月変な使い方をしていないか料金のチェックをする。また、大学に入学したら自分で料金は払いなさい」と親からは口酸っぱく言われていました。

また、筆者が通っていた高校が進学校だったこともあり、高校生だった2008年頃の時点でも学校に携帯電話を持ち込むことは禁止されていました。

親への連絡手段等で必要な生徒は事前に学校にその旨を届け出る必要があり、その場合でも学校敷地内で携帯電話を使用することは禁止。先生に見つかったり授業中に着信音が鳴ったりした場合には1週間程度、携帯電話が没収されていました。

すでに携帯電話をほとんどの高校生が持っていた時代だったので、「家も学校もこんなに厳しいルールなんてありえない」と当時は本気で思っていました。しかし今振り返ると、どちらも別に厳しいわけではなかったと思います。