日産化学、3Qは減収減益も各利益が予想を上回って推移 4Qに下振れの可能性があり予想は据置

2020年2月7日に行われた、日産化学株式会社2020年3月期第3四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:日産化学株式会社 取締役副社長CFO・財務部長 宮崎 純一 氏

2019 3Q決算 ハイライト①

宮崎純一氏:日産化学の宮崎です、よろしくお願いします。それでは資料に基づきましてご説明申し上げます。

まず、第3四半期の決算のハイライトでございます。第3四半期単独で見ますと、前年同期では営業利益は44億円ですが、今年は34億円となってマイナス10億円の減益となっております。

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セグメント別の数字については11ページから12ページに出ておりますので、ここでは簡単に述べさせていただきます。

まず化学品は、「メラミン」「テピック®」が引き続き不調でございます。環境化学品の減収もあり、大きく減益となっております。それに対して機能性材料は、ディスプレイ、とくに光IPSが好調を持続し、固定費の減少もあって増益となりました。

農業化学品は「グレーシア®」の増収はありますが、もともと予想されましたとおり、「フルララネル」の出荷減がございまして減益となっております。医薬品については、「リバロ®」の減収に伴って減益でございます。

第3四半期単独の業績予想は11月に発表しておりますが、営業利益全体については予想の26億円に対して実績が34億円ですので、8億円の上ぶれとなりました。

セグメント別に見ますと、化学品はやはり「メラミン」や「テピック®」、環境化学品を中心に下ぶれましたので、利益も下ぶれとなりました。

機能性材料は、ディスプレイの好調と半導体の極めて強い回復が見られ、固定費の下ぶれも加わって上ぶれとなりました。

農業化学品については、第4四半期からの前倒し出荷等があって上ぶれております。医薬品については「ファインテック®」が下ぶれて、若干の下ぶれでございました。

第3四半期の業績予想比で純利益について見ますと、予想の23億円に対して実績は30億円となり、この段階では7億円の上ぶれという結果となりました。

(2)については、第1四半期から第3四半期までの累計の前年同期比になります。営業利益については前年同期238億円に対し、214億円となって24億円の減益となっております。

化学品については、「メラミン」の減収や在庫変動のマイナス影響によって減益となりました。

機能性材料は、ディスプレイの好調、ここでは光IPSがスマホ・非スマホ用途も拡大し、固定費の減少も加わって増益となりました。

農業化学品は先ほどと同じようなコメントになりますが、「グレーシア®」は大幅増収となるも、「フルララネル」は予定どおりの減収となって減益となっております。

医薬品は、国内は「リバロ®」で増収でしたが、海外は減収、「ファインテック®」が微減収となり、全体では減益となりました。

2019 3Q決算 ハイライト②

通期の業績予想ついては変更いたしません。第3四半期については今申し上げましたとおり予想を上回っておりますが、第4四半期は下ぶれる可能性があり、現状では業績予想の変更は行いません。

3番目の第4四半期のセグメント売上動向を、11月に発表したセグメント売上動向と比較して、イメージとして上ぶれるか下ぶれるかという推定を申し上げたいと思います。

まず化学品です。ファインケミカルでは「テピック®」について、一般向けが引き続き中国品の安値の影響を受けて、市況下落や数量減が予想されます。電材向けについては、ソルダーレジストインキ等の主要顧客の低調が継続するということで、こちらも下ぶれが予想されております。全体としてのファインケミカルの売上高予想は、下ぶれと(なっております)。

基礎化学品も全体では下ぶれると推定しております。「メラミン」については、中国品の侵食が止まっていない状況であり、市況の回復もなかなか期待できないという状況でございます。

機能性材料にまいります。ディスプレイについては、「サンエバー®」は光IPSのスマホ・非スマホ向けの好調が維持されると見ておりますので、上ぶれの可能性が大きいと(考えております)。半導体は第3四半期の回復ぶりを見ますと、主要顧客の稼働の回復は続くと見ておりますので上ぶれるという推定でございます。無機は「スノーテックス®」の一般向け・オルガノゾル・米国のオイル&ガス材料のいずれもさえない動きでございまして、こちらは下ぶれと見ております。

農業化学品にまいります。まず一般農薬は上ぶれと見ております。11月に買収した「キノキシフェン」の販売開始がございますが、もともと業績予想には入っていない要素ですので、上ぶれの可能性が大きいと見ております。「フルララネル」については、ほぼ計画どおりの可能性が大きいと推定しております。

医薬品は「リバロ®」「ファインテック®」ともに、第4四半期の予想どおりの動きと見ております。

2019 3Q実績

5ページは今まとめてお話し申し上げました。

2019 1‐3Q実績

株主還元とありますが、配当についてはとくに変えておりません。今のところ従来どおりの中間42円、期末46円、合計で88円の予想でございます。

自己株式についても、現在は40億円取得中でございますが、間もなく完了するような状況でございます。

営業外損益・特別損益

営業外損益です。この表は営業外収益と費用が別々に出ていますが、合わせて営業外損益というふうに見ますと、前年が第1四半期から第3四半期合計で15.7億円、今期の第1四半期から第3四半期が10.4億円ということで、マイナス5.4億円という数字であります。

このうちの大きな要因は(2つあり)、まず為替損益です。昨年は差益で0.7億円ございましたが今年は差益がなく、差損で1.4億円ありますので、マイナス2.1億円という数字でございます。

営業外収益で昨年のその他のところに有価証券の売却益2.7億円が入っており、今年はこれをすべて特別利益に動かしておりますので、ここでマイナス2.7億円が入っているということでございます。

キャッシュフロー

キャッシュフローは、今期はかなり大きく動いておりますので、それをまずご説明します。

営業キャッシュ・フローの上から4行目にあるのれんの償却費について、今期の2億円は「キノキシフェン」の、のれんの償却費用でございます。投資キャッシュ・フローにまいりまして、2行目の投資有価証券購入・売却は、ネットで売却額として26億円計上されております。

財務キャッシュ・フローの株主還元(自己株取得)は、昨年は50億円ですが、今年については上期に60億円、第2四半期で40億円を発表し、今買い進めているという状況です。ここにはすでに実施した23億円が入っており、合計で60+23で83億円と(なっております)。

残りの17億円分はその下の、その他(2)に入っております。その他のところには、役員の業績連動型株式報酬制度導入に伴う自己株の取得8億円が、注の(2)のとおりにあります。

貸借対照表

ご承知のとおり、当社の場合は期末の3月末に向かって、農薬を中心として売上債権がずっと積み上がってきて、それが徐々に回収されていくということになりますので、3月との比較では大きな動きになります。とくに売上債権の回収が大きな数字で入ってきております。

トピックスで挙がっておりますが、投資有価証券は3月から9月にかけて売却いたしましたので、この下の投資有価証券の内訳のとおり、上場株式は3月の256億円から239億円と17億円の減少になっております。

2018‐19 セグメント別売上高

2018‐19 セグメント別営業利益

11ページと12ページにセグメントの数字が出ております。12ページの下にありますとおり、予想比のところは赤い数字を入れております。ご覧のとおり、化学品ではマイナス8億円、機能性材料でプラス14億円、農業化学品でプラス3億円、医薬品ではマイナス1億円、全体でプラス8億円という上ぶれを達成しております。

化学品セグメント概況‐(A)業績

各セグメントの状況です。まず化学品でございます。

化学品セグメント概況‐(B)2019 1‐Q 主要製品売上高成長率、収益動向

スライドの左側の主要製品の動向です。第3四半期のファインケミカルの「テピック®」ですが、YonYではマイナス10パーセント、第1四半期から第3四半期ではマイナス1パーセントという数字で、11月に作成した新しい数値は発表しておりませんが、第3四半期の予想値を下ぶれております。

環境化学品も同様にマイナス16パーセントと下ぶれております。ファイン全体ではマイナス6パーセントとなり、これも下ぶれております。

「メラミン」は、第3四半期はマイナス30パーセントと、YonYで大きな落ちとなっております。第1四半期から第3四半期ではマイナス12パーセントと(なっております)。

一方、尿素・アドブルーはこのなかでは上ぶれて、第3四半期でプラス3パーセントを記録しております。

高純度硫酸は第3四半期はプラス5パーセントですが、この数字は計画値を下回っております。基礎化学品全体でも第3四半期でマイナス12パーセント、第1四半期から第3四半期ではマイナス6パーセントとなっており、これは計画値を下回っている数字でございます。

この下に売上と利益の動きを文章で書いております。左側がYonYの第3四半期の数字でありますが、ご覧のとおりファインケミカル・基礎化学品ともに利益は減少、全体のセグメントとしては売上がマイナス9億円、営業利益でマイナス4億円でございます。

このページの右側の、11月の業績予想比ですが、同じくファインケミカル・基礎化学品ともに利益は下ぶれて、全体のセグメントとしては売上がマイナス13億円、営業利益はマイナス8億円という結果となりました。

機能性材料セグメント概況‐(A)業績

機能性材料セグメントに移ります。

機能性材料セグメント概況‐(C)2019 1‐3Q 主要製品売上高成長率

ディスプレイ材料は、第3四半期については「サンエバー®」が9パーセントの増収、第1四半期から第3四半期はプラス5パーセントでありました。ディスプレイ材料全体でもプラス9パーセント、第1四半期から第3四半期もプラス5パーセントであります。

その下の行の半導体材料をご覧ください。第3四半期はKrF(ARC®)、ArF(ARC®)ともにマイナスの数字がYonYで入っておりますが、いずれも当初見込みよりも上ぶれております。マイナス幅としては小さいという実績でございました。

その他半導体材料はプラス10パーセントとなり、もう少し伸びを見ていましたが、こちらは下ぶれております。全体として、半導体材料は第3四半期では横ばいということで、上ぶれた数字でございます。

一方、(スライドの)右側の表の無機コロイドですが、「スノーテックス®」、オルガノゾル・モノマーゾル、オイル&ガス材料のいずれも下ぶれという結果になっております。無機コロイド合計でマイナス12パーセントとなりました。

機能性材料セグメント概況‐(E)収益動向

利益の動きであります。(スライドの)左側に各セグメントの動きがありますが、合計では一番下にあるとおり、売上高で4億円の増加、営業利益で6億円の増加が第3四半期単独の推移でございます。サブセグメントではディスプレイは増益、半導体は横ばい、無機が減益という結果でございました。

この予想比を右側で見ますと、一番下にあるとおり売上高でプラス8億円、営業利益でプラス14億円で、こちらにはその1つ上の行にある固定費の下ぶれ6億円も入っております。結果として、サブセグメントではディスプレイは利益の上ぶれ、半導体も上ぶれ、無機が下ぶれという状況でございました。

農業化学品セグメント概況‐(B)2019 1‐3Q 主要製品売上高成長率

農業化学品にまいります。「フルララネル」は一部下ぶれということで、一部の出荷が少額ですが第4四半期へシフトしております。

「ラウンドアップ」は第1四半期から第3四半期累計でプラス10パーセントです。こちらは、「ラウンドアップマックスロード®」で第4四半期からの前倒しがあった関係で上ぶれとなっております。「ラウンドアップマックスロードAL®」は予想どおりの動きとなりました。

「アルテア®」は上ぶれ、「タルガ®」も上ぶれという数字でございます。「パーミット」は、米国向けが第4四半期から前倒しで第3四半期に来ているということで、プラスでございました。

「グレーシア®」については非常に大きな動きで、プラス400パーセント以上となっており、(スライドの)左下に「グレーシア®」の棒グラフがございます。2019年の第1四半期から第3四半期の実際の着地は下ぶれておりますが、国内に優先して販売した結果、輸出が少し下ぶれとなりました。

右側に「クィンテック」の説明を書いております。2019年11月にコルテバ社から買収、12月から販売開始となり、12月の販売数値は何千万円という世界でございました。「クィンテック」自体は米国で非常に根強い人気を持っている、うどんこ病の予防薬です。プレスリリースにも記載しましたが、この表にあるような非常に潤沢なキャッシュ・フローが予想される商材でございます。

償却は5年定額ということで、数字ははじいております。

農業化学品セグメント概況‐(C)フルララネル

「フルララネル」の状況です。とくに第2四半期から変わったことはございません。2四半期別の売上のところを見ていただきますと、もともと第3四半期は非常に小さい金額で見ておりましたが、これが第4四半期にずれて第3四半期は売上が0という状況でございました。第4四半期は予想どおり動くと見ております。

一番最後の「ブラベクトプラス」は、猫向けの外内部寄生虫スポットオン合剤で、12月に米国で上市しております。

農業化学品セグメント概況‐(D)収益動向

第3四半期単独の状況です。増収はここにあるような材料で、もともとわかっていた「フルララネル」の減収に加えて固定費の増加、キノキシフェンの2億円、在庫変動でのマイナス影響などがあり、前年同期比ではマイナス4億円と売上が下がり、利益もマイナス6億円でございました。

一方、(スライドの)右側の第3四半期の業績予想比になりますと、売上の上ぶれが「ラウンドアップ」「アルテア®」「タルガ®」等で、下ぶれは「フルララネル」「グレーシア®」で、大半が第4四半期との出荷のタイミングのズレとなります。

固定費の上ぶれでは1億円、このうちキノキシフェンで2億円であります。結果として売上は高3億円の上ぶれ、利益も3億円の上ぶれとなりました。

医薬品セグメント概況‐(B)2019 1‐3Q 主要製品売上高成長率、収益動向

医薬品にまいります。第3四半期の「リバロ®」については、第3四半期だけでマイナス23パーセントの減収、第1四半期から第3四半期合計ではマイナス16パーセントすが、これは計画に対しては上ぶれた推移となっております。

「ファインテック®」は減収、計画に対しても下ぶれであり、これらを足してほぼ予想どおりの売上高の動きであります。

(スライドの)右側です。第3四半期単独では売上・利益ともに3億円の減少でございますが、売上は予想どおり、営業利益でマイナス1億円という数字でございました。

2019予想(2019年11月8日発表、今回変更なし)

これは11月8日の中間決算の説明の時に出しましたが、そのままコピーしているだけでございます。

2016‐19 四半期別セグメント別営業利益

我々の今年の予想では、農業化学品のところで「フルララネル」の出荷が第4四半期にかなりありますので、ご覧のとおり、第4四半期の利益は農業化学品だけで124億円と見ております。

第3四半期はマイナス22億円ということで、昨年は農業化学品は、第3四半期がマイナス13億円、第4四半期が99億円ですので、このあたりの大きな違いが出ているということになります。

以上で第3四半期の決算のご説明を終わらせていただきます。

記事提供:ログミーファイナンス

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