貯蓄から投資へと踏み出した人にありがちな勘違い

少額から始められ、さらに節税対策にもなるiDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)は、将来年金の支給額に不安を感じる世代に浸透しつつあるようです貯蓄から投資へとマインドが変わってきたことの表われですね

このような人たちにとって、ネット証券の手数料無料化は、株を始めとする金融商品への投資のハードルを下げることは間違いないでしょう。
そこで、株取引の初心者が陥りやすい投資のミスについて、いくつかの事例をご紹介しましょう。

ケースA「株主優待ばかり気になってしまう」

テレビや雑誌で「有名人の株主優待生活」や「魅力的な優待品」などの特集を見て、「優待」に関心を持った人も多いと思います。自社製品や商品券・割引券、ノベルティーグッズやカタログギフトなど高級プレゼントなど、企業側はあの手この手を使って株主を増やそうとしています。

しかし、株主優待ばかりに気を取られて、肝心の株価を気にせず買ってしまう人もいます。たった1,000円の商品券の優待をもらうために保有したのに、株価が下がって数万円ものマイナスが出てしまったら意味がないですよね。

客観的に見ると、1,000円をゲットするために数万円の損をしていることは合理的ではないとわかるのですが、優待狙いで持ち続けてしまう人が多いのも事実です。

「投資」の本来の意味を忘れないように、優待利回りも考慮していきましょう

ケースB「『持たざるリスク』を信じてしまう」

持たざるリスク――「相場がいいときに何も金融商品を持たないのはチャンスを逃している」という意味でよくテレビや新聞で目にします。しかし、これは個人投資家ではなく機関投資家に関して言われることなのです。

個人投資家には「いつまでに成果を出さなければならない」という期限がありませんよね。
でも、顧客の資産を預かる機関投資家は、常に成果を出し続けなければ商売になりません。

相場が良くほかのファンドが値上がりしているのに、自分のファンドだけ下落しているようだと、顧客は離れ、資金はほかのファンドに流れてしまいます。それを避けるためには1回1回のチャンスを確かにモノにすることが必要。

そこで「持たざるリスク」が意識されるのです。

個人投資家は、毎回すべてのチャンスをモノにする必要はなく、自分が乗れるときにだけ波に乗ればいいだけですし、ダメだと思えばすぐにやめればいいのです。