自分の給料が低いと知って作業効率が下がると、作業効率が悪いという評価につながり、結果的に給料が下がるということも考えられます。

満足度が下がる

他人の給料を知っても意味がない理由の2つ目は、満足度が下がるという点です。

2012年のカリフォルニア大学・David Card教授らの幸福度調査では、働いている人に皆の給料を記載したメールを送ったところ、給料の低い人の満足度は下がり、給料の高い人の満足度は変わらないことが明らかになりました。

つまり、他人の給料を知ったところで幸せにはなれず、むしろ不幸に感じるリスクがあるのです。

幸福度は相対的なもの

他人の給料を知っても意味がない理由の3つ目には、相対所得仮説というものが挙げられます。

これは、主観的な幸福度というのは、自分の給料水準だけでなく他人の給料との相対的な関係によっても左右されるというものです。自分の給料が上がっても他人の給料も同じだけ上がっていると知ったら、あまり幸福に思えないというわけです。

このように、他人の給料を知っても、自分のモチベーションが上がるどころか、かえって逆効果だということがわかります。そうなると、仕事を効率的、精力的にこなす気力は出ず、報酬アップにつながる成果が出しにくくなるのです。