暴落にどのように対応するか

こうしたネガティブなイベントが発生すると、投資家は疑心暗鬼に陥り、本来売らなくてもよいものを売ったり、本来買うべきタイミングで買えなかったりすることが往々にしてあります。

加えて、つみたて投資などでコツコツと資産形成する方は、下げのタイミングを見計らってショートポジション(売りポジション)を張るようなことはできません。

もちろん、株価が下がって手持ち資産の価格が下がるのは気分の良いものではありませんし、不安になるのも理解できます。少額のつみたて投資でさえやめてしまおうかと思われるのも分からないではありません。

でも、毎月自動的に投資を行う積立投資なら、株価(投資対象価格)が下がった時点でより多くの株数(口数)を購入できるわけですから、文字通り「下がったら買い」を実践できるわけです。

では、原因不明の疾病が拡大したり、経済イベントが発生して不安になったりする際、どのように対応したらよいのでしょうか。投資自体をやめてしまうべきでしょうか。

筆者の答えは、「全く気にせずにペースを変えず、タイミングを選ぶことなく投資を継続しましょう」です。その理由の一つに、投資家でも実業家でも、新型コロナウイルスが蔓延しようと、株価が下がろうと、投資する時には投資するという事実があります。

実際、米国の著名投資家であるウォーレン・バフェット氏は、2019年第4四半期にクローガー(小売)とバイオジェン(医薬品)の株式を合わせて約820億円で購入しています。

この時期は新型コロナウイルスも米・イラン問題も顕在化はしていませんでした。しかし、投資以降には何でも起こり得ることを考えれば、投資タイミングを選ぶことは難しいのです。