株式市場の振り返り-閑散相場が続く中で3日ぶりの反落、新興市場は3日続伸
2016年6月9日(木)の東京株式市場は3日ぶりの反落となりました。日経平均株価は前日比▲1.0%の下落、TOPIXも▲1.0%の下落で引けています。一方、新興市場の東証マザーズ総合指数は+0.6%上昇し、3日続伸となりました。
日経平均株価は、円高進行を受けて前日比▲88円安で寄り付いた後、切り返す場面が見られ、前場は一時▲45円安まで下げ幅を縮小しました。しかし、前場の半ばあたりから下値を模索し始め、後場は一時▲243円安まで下落する場面がありました。最後は若干盛り返し、大引けは▲162円安の16,668円で終わっています。
東証1部で上昇したのは541銘柄、値下がり1,280銘柄、変わらず136銘柄でした。東証1部の出来高は16億8,404万株、売買代金は1兆7,853億円(概算)となっています。深刻な薄商いが続いており、証券会社の業績悪化が懸念される事態と言えます。
セクター動向と主要銘柄の動き-33業種中30業種が下落する中、原油関連業種が買われる
東証1部で上昇したのは3業種のみに止まり、30業種が下落しました。上昇した3業種には、鉱業や石油・石炭など、原油価格上昇のメリットを享受するセクターが入っています。一方、下落した業種の中では、銀行など金融セクターの下げが目立っています。
個別銘柄では、特段目立って下げた主力株が少なかった中、日産自動車(7201)やマツダ(7261)などの自動車株、パナソニック(6752)や村田製作所(6981)などのハイテク株が値を下げています。上昇した銘柄の中では、年初来高値を更新した東芝(6502)、ドンキホーテホールディングス(7532)が健闘しました。
本日(6月10日)の注目点-相次ぐイベントを控え、様子見スタンス強まる公算。建設や不動産に注目。
10日(金)は四半期に一度のメジャーSQ(特別清算指数)の算出日です。通常だと、これをクリアーしてから相場が動き出すパターンです。しかし、来週は日米の金融政策会合を控えており、引き続き様子見スタンスとなる可能性が高いと言えます。中期的には上向きと見られますが、短期的には方向感を模索する動きが続きそうです。
来週の金融政策会合に大きな波乱はないと思われますが、前回が前回だっただけに油断禁物。特に、日銀の金融政策に注目です。確かに、追加緩和の可能性は低いかもしれませんが、不動産や建設などの下値を拾うことを視野に入れておきましょう。
青山 諭志