相次いで報道された芸能人の不倫問題は社会的関心事になりました。本人たちの発言のみならず、どちらかを擁護したり批判したりする言説までが炎上を巻き起こすといった具合です。
日本のこうした現象に対し、「どこそこの国では、セレブの不倫がバレてもスポンサーから損害賠償を科せられたり、番組を降板させられることはまずない」とか、「不倫は私的な過ちであり、それによって俳優の品性が問われることはない」といった東西文化比較論もネット上に登場しています。
やはり不倫は厳しい目で見られる
筆者が暮らすオランダはどうでしょうか。人はみなそれぞれで、その違いこそが個性で尊重すべきものと考える国民性もあって、子供たちは十人十色は当たり前だと教えられて育ちます。背が高いのも低いのも、見た目がいいのも悪いのも、各々の個性なのだから批判などせず受け入れるべし、ということなのです。
恋愛や結婚に性別は関係なく、人を愛することに変わりはないのだと説くのも、世界で初めて同性婚を認めた国ならではの自由な考え方といえそうです。では、人はみなそれぞれなのだから、好きになった相手が既婚者でもあくまで個人の自由、と受容されているのでしょうか?
どっこい、そこは自由の国・オランダであっても、不倫と聞けば大半の人たちが眉をひそめます。不倫をしている者同士が社会的制裁を受けて失職することはまずありませんが、家族や友人、そして同僚から非難されることは必至です。
バッシングされる不倫のケースは
不倫に関する調査を行ったオランダの心理学者、ヘンク・ノールトによれば、20歳から45歳までの1,700人のオランダ人男女を対象にアンケートを行った結果、女性は27%、男性は25%が、人生で一度は不倫をしたことがあると回答したそうです(オランダ中央統計局:2015年の統計による)。