ある会社に勤務する中堅社員の主人公。ある日のこと、上司である係長の確認が必要な書類をメールに添付して送ったところからお話は始まります。なお、この係長『大事なことは口頭で』派。メールを送ったら、口頭でも報告しておかないと、見落とされることもしばしば(21話参照)。念には念をということで、その旨を上司に報告しました。

「係長、先ほどメールで資料をお送りしました。確認いただいてもよろしいでしょうか?」すると、係長からは「紙で持ってこい。」という指示が。「あ、いや。添付ファイルを開いていただければ、内容は確認できますので…。」という主人公に、「俺は、資料は紙で見たいんだよ。いいから印刷したものを持ってこい。」とぴしゃり。

「なんで紙にこだわるんだ…。」と心の中でつぶやく主人公。そこで、いつものごとく脳内で妄想スイッチが入ります。

「はい、紙の資料です!」と、係長に印刷した資料を差し出す主人公。「あと、紙コップと付箋、メモ帳も準備させていただきました。」と、彼が手で示した先には、紙でできた商品がずらり。頭に折り紙の兜をかぶった係長は、目を細めながら「おお気が利くなあ。俺は紙に囲まれていないと落ち着かないんだ。実は今日の服も紙製でな…。」とご満悦。たしかによくよく見れば、スーツも紙製。しかも袖には、ちょっと、いや結構目立つ破れが…。

「これ、雨の日が大変そうだな…。」(妄想終了)