現制度からのロールオーバーでより長期の資産運用が可能に

次に、すでにNISAを使っている人が新NISAへ移行するという目線で見ていきましょう。

2019年の投資枠を使って投資をしている人は2023年末で非課税投資期間が終了しますから、今度は2024年の新NISAに資金を移管(ロールオーバー)することができます。

現在の一般NISAでの投資対象は原則102万円の2階部分に時価で移管することになりますが、102万円を超えた金額は1階部分の枠も使ってしまいます。そのため移管総額が122万円を超えていると、1階枠での投資ができないことになります。

また2024年に新NISAの1階部分で積立投資を行った資金は、非課税期間5年後の2029年には簿価でつみたてNISAへと移管することも可能になります。

いずれにしても、この新NISAはちょっと複雑ですので、まずは「5年延長されることになったので長期投資を続けるためにはメリットがある」といった程度に理解をして、正式に法律が成立してからさらに詳しい情報をもとに理解することをお勧めします。

新NISAの概念図

出所:税制改正大綱などを参考にフィデリティ退職・投資教育研究所作成

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合同会社フィンウェル研究所代表 野尻 哲史