【新型コロナ】“日本は感染源国”というイメージ拡散の懸念~海外にいる日本人が標的になるリスク〜

2月17日現在、世界での新型コロナウイルス感染者数は7万人を超え、中国での死者数は1770人に達したという。他の国々でも感染が拡大し、死亡者があちらこちらから報告されている。今後も、感染者や死亡者の数は増加するとみられる。

広がる中国系・アジア系への嫌がらせ

そんな中、中国武漢を出発点とする感染拡大によって、これまで韓国や台湾、香港、またフランスや米国など各地で、中国系、アジア系への風当たりが強まり、差別や嫌がらせ、暴力沙汰に巻き込まれるケースが相次いでいる。

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韓国・ソウルでは、韓国人と中国人のグループがすれ違いざまにすれ違いざまに肩がぶつかったことで口論になり、両者の間で激しい暴力が発生し、中国人が韓国人のグループから「ウイルスはマスクをつけろ」、「肺炎をうつしていないで中国に帰れ」などの暴言を吐かれる事件があった。

また、米国・ロサンゼルスでは、アジア系の男子中学生が同級生から暴行を受け、病院へ緊急搬送される事件も発生しており、現地ではアジア系を狙ったヘイトクライムへの懸念が高まっている。

当然ながら、こういった衝突は本来あってはならないもので、厳に慎まなければならないものだ。だが、これまでのこういった差別や嫌がらせは中国を意識したもので、日本を狙ったものではなかったはずだ。

要は、欧米をはじめとする非アジアの世界では、アジアのどの国の人かを正確に区別できない人々も多く、日本人や韓国人、台湾人なども巻き込まれてしまうリスクだった。

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OSCアドバイザー/清和大学講師
岐阜女子大学特別研究員、日本安全保障戦略研究所(SSRI)研究員、日本安全保障・危機管理学会主任研究員などを兼務。
専門分野は国際政治学、安全保障論、国際テロリズム論。日本安全保障・危機管理学会奨励賞を受賞(2014年5月)、著書に『テロ、誘拐、脅迫 海外リスクの実態と対策』(同文館2015年7月)、『「技術」が変える戦争と平和』(芙蓉書房2018年9月)など。研究プロフィールはこちら