「優秀なお子さん達ですね」としきりに褒めるおばあさん

筆者の叔母の子育てが一段落する少し前のこと、町内会の会合で顔を合わせるおばあさんと会話をするようになりました。70歳を過ぎた品の良い方だったそうです。

ある日、ふとしたきっかけで叔母の子供達が地元の難関高校に通っていることを知り、どんな子育てをしてきたのか、自分の息子や娘のお手本にしたいくらいとしきりに褒めるのです。叔母は恥ずかしい気持ちで話を聞いていたといいます。

地域の集まりなどがあると、子供や孫の出来を謙遜しながら言い合うことはよくあることです。確かに、叔母の子供達、つまり筆者のいとこはその地域では優秀な部類に入りました。集会でネタにされるのは自然なことだったのですが、実はそのおばあさんにはとっておきの秘密があったのです。

人を褒めるのは自分のためだった!?

ある会合の日、いつものようにおばあさんが叔母のすぐ近くに座ってあれこれ褒めていると、横にいた自治会長さんが「おたくのお子さんやお孫さんはもっとすごいでしょう」と声をかけてきました。

自治会長さんの話によると、おばあさんの息子と娘はそれぞれ超難関の中高一貫校から誰もが知っている有名大学に進学し、息子は大企業勤め、娘は大学時代の同級生と結婚し現在は東京都内の一等地に住んでいるとのこと。そして、孫たちも同様なルートを辿っているというのです。