新型肺炎の影響がやや沈静化。日経平均は大幅反発

2020年2月7日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より45円61銭安の23,827円98銭となりました。4日ぶりの下落ですが、下げ幅は小幅でした。

前週は新型肺炎の影響が懸念され、一時は23,000円を割り込む場面もありましたが、欧米の一部メディアが治療薬やワクチンでの研究が進んだと報道したことから警戒感が和らぎました。

国内では、トヨタが20年3月期の純利益予想について上方修正を発表したことから、自動車関連銘柄を中心に買われる展開となりました。足元で円安・ドル高傾向にあることも好感されました。

今週以降の展開はどうなるでしょうか。新型肺炎の影響については楽観できません。企業の業績に与える影響はまだ見えづらいところです。ただ、治療薬に関する報道が出たことや、世界保健機関(WHO)の対策などが発表されていること、さらに中国政府が金融支援策を打ち出したことなどから過度な悲観論は後退しつつあります。

米国株は好調です。6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は約3週間ぶりに過去最高値を更新しています。7日には、1月の米雇用統計が発表されました。非農業部門の雇用者数は前月比で22万5000人増え、市場予想(16万人増)を上回ったものの、高値圏での利益確定売りの勢いが強く、反落しました。

日本株にとっては売買の判断が難しいところですが、新型肺炎のリスク後退、米国株高などの背景もあり、買いのチャンスを探りたいところです。6日に中国が対米関税の一部引き下げを発表したことで米中対立が緩和するとの期待感からドルが買われ、円安傾向になっているのも追い風になるでしょう。

ただ、中国では工場の操業停止なども続いていることから、中国市場での生産や消費など実体経済への影響はまだ先が見えません。業種・業態によっても影響が異なるでしょう。当面は好業績企業などを中心に個別銘柄を物色していくような戦略になりそうです。