株式市場の振り返り-大幅続落、日経平均株価は一時16,500円割れ寸前に
2016年6月2日(木)の東京株式市場は大幅続落となりました。日経平均株価は前日比▲2.3%の下落、TOPIXも▲2.2%の下落で引けています。また、新興株式市場の東証マザーズ総合指数も▲1.7%安の続落となりました。
日経平均株価は、前日の下落相場を引きずる形で前日比▲138円で寄り付き、その後はこの始値を上回ることなく終わりました。典型的な「寄り付き天井」です。特に後場は、一時▲430円安まで下げて16,500円割れ寸前の場面が見られました。最後は若干切り返しましたが、大引けは▲393円安の16,562円で終わっています。
東証1部で上昇したのは139銘柄、値下がり1,773銘柄、変わらず44銘柄でした。東証1部の出来高は20億7,508万株、売買代金は2兆930億円(概算)となっています。全体の9割超が下落する中、売買代金は辛うじて2兆円を維持しました。
セクター動向と主要銘柄の動き-33業種中32業種が下落、金融と素材に強い売り
東証1部の全33業種中32業種が下落し、上昇したのは農林・水産だけでした。下落した業種の中では、金融関連や素材関連が多くなっています。また、為替影響が大きい業種も軒並み下落しました。個別銘柄では、主力株が全面安となる中で、JT(2914)やマルハニチロ(1333)、ドンキホーテホールディングス(7532)等の上昇が目を引きました。
本日の注目点-米国の雇用統計発表を控え、様子見スタンスの中での深追いは禁物
相場が上昇へ動き出したと思った途端、円高進行などから、先週月曜日(23日)の株価水準へ逆戻りです。意気消沈している人も多いかもしれませんが、その23日と比べると相場の活況感が良くなっていることは明るい材料です。3日(金)の株式相場は、下げ止まる気配が見られるか、また、16,500円台を維持するかに注目です。
ただ、週末に米国雇用統計の発表を控えるため、3日は再び様子見スタンスが強まる可能性があります。今回の雇用統計は、6月の米国利上げ実施を占う意味でも注目されましょう。その意味でも、相場が動いても深追いしないことが重要です。強いて言えば、輸出関連株が一層の下値を模索する場合、コツコツと拾うことも考えていいでしょう。
青山 諭志