キュレーターから読者に伝えたいポイント
2016年6月1日に安倍首相は消費増税の再延期を正式に発表しました。翌日、2日の東京株式市場は反落して引けています。既に延期は織り込み済であったものの、米国の金融政策の行方や、”ブレクジット・リスク”(イギリスのEUからの離脱リスク)など、海外の不透明感から円高が進んだことが一因と見られます。
こうしたことから、現在の株式市場は国内よりも、むしろ為替など海外要因のウエイトが再び高まってきている印象です。このため、今回は為替動向に影響を与える今後の海外のイベントについて、参考になる記事を基に整理してみました。
為替を動かす今後のイベントとは
この記事を読むと、今後の為替を動かすイベントの注目ポイントが理解できます。具体的には、5月の米雇用統計(6月3日)、米金融政策決定会合・FOMC(6月14-15日)、日銀金融政策決定会合(6月15-16日)、6月の米雇用統計(7月8日)、米共和党全国大会(7月18-21日)などです。
円高リスク再燃で日経平均反落
出所:楽天証券
米国の金融政策の勘所を知る
この記事では、今後の米国の金融政策のポイントが、1)雇用状況、2)米国のインフレ率、3)信用スプレッド、4)海外要因の4つであることが分かりやすく解説されています。
今後のスケジュールをまとめた上述の記事と合わせ、金融政策の背景を理解しておくことが大切です。なお、米国の金融政策はあくまでも米国経済のためであり、米連邦準備制度理事会にとって4番目の海外要因は“おまけ”のようなものであることには注意が必要です。
米国の金融政策を占う4つのポイント
出所:ピクテ投信投資顧問
EU離脱巡るイギリスの国民投票にも注意したい
“おまけ”のようなものであるとはいえ、為替動向はアメリカ経済だけで決まるわけではありません。よって、アメリカ以外の動向にも目を向ける必要があります。特に2016 年6月23日に予定されているイギリスのEU(ヨーロッパ連合)離脱の賛否を問う国民投票の行方には要注目です。
現時点では予断を許しませんが、仮に離脱が決定した場合はEUとの貿易障壁が生じるため、イギリスは製造業や金融業がビジネスを行う場所としての魅力低下が懸念され、ポンド急落など金融市場も大きく荒れることが想定されます。こうした”ブレクジット・リスク”に対する備えも忘れないでおきましょう。
英国:EU(欧州連合)離脱(ブレグジット)か残留か
出所:ピクテ投信投資顧問
テクニカル的には上値の可能性も
この記事によると、日経平均株価は2016年5月25日に25日移動平均線が75日移動平均線を上抜けるゴールデンクロスを形成しており、17,000円の抜けを確認できれば18,000円まで上昇の可能性もありうるとのことです。
実際、5月30日、31日は17,000円超となっていたため、その可能性はまだ残っているのかもしれません。好材料と悪材料が混在して方向感が見えなくなった時には、“株はチャートだ”という割り切りも時には必要です。
日経平均は上値を試す展開へ。18,000円台回復も?
出所:投信1
LIMO編集部