人手不足が叫ばれる中、最近ではようやく好待遇で有能な人材を他社から連れて来ようという動きも出てきたようです。そんなタイミングだからこそ、転職を検討している人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、採用活動の中で面接官の印象に残った人の特徴についてご紹介します。
ある意味「遠慮がない人」
金融機関で人事担当をしているAさんは、「面接という場であえて遠慮がなく、どんどん質問してくれたり、自分の本音を聞かせてくれたりするほうがうれしいし、興味が湧く」と話します。
今までで最も印象に残っている人について聞くと、「あるとき、競合他社で働いている女性の中途採用面接をした。彼女は業界内に知り合いが多い様子で、年齢の割に金融機関業界の動向に詳しかった」と言います。
また、「飾らない人柄にも好感が持てた。『なぜ今の会社を辞めようと思っているのか』と聞いたとき、現状のプラス面とマイナス面をきちんと自分の言葉で話してくれるのがよかった。話自体も面白くて、自分も面接ではありえないくらい笑いながら話を聞いた」とのこと。
「うちの会社をどう見るかという話では、いいことも悪いことも全部話してくれた。普通はいいことしか言わない人が多いけれど、率直に話してくれてむしろ勉強になった」と言います。情報収集能力があり、自分の考えを的確に伝えられる人は人事担当者からしても貴重な存在に感じられるものかもしれません。
ちなみに、同業他社への転職の場合、1〜3カ月程度の期間をあけるのが暗黙のルールとなります。そのため、退職時期が3カ月先の日付になるということもありますので、同業他社への転職を検討している場合は注意が必要です。
初対面でも肩の力を抜いて話せる人
IT企業で中途採用を担当しているBさんが印象に残ったのは「面接なのに全く緊張しておらず、いい感じに肩の力が抜けている人だった」と言います。
「まさに、飲み屋でちょうど知り合った同じ業界の人と話をしている感じで、刺激的な話もたくさん聞けた。人事担当って役得だなと思うくらい興味深い話だった」のだとか。
「たとえば、『あの会社は、あのときのあの施策が功を奏した』とか『あそこの会社はあの時期に方針を変更して内部の統制がうまくいかなくなり、力を持っていたある役員が他社に移ってから失速した』というように示唆に富む話ばかりで感心した」とのこと。
AさんにもBさんにも共通していることですが、やはり中途採用で印象に残るのは業界に精通していて、業界の大きな波を知っている人のようです。自分が働いている会社のことしかわからないようでは、あまり魅力的な人材として評価されないのでしょう。
話全体のバランスがよく、自社で働く姿が想像できる人
教育関連業界で人事担当をしているCさんが印象に残ったのは、「話全体のバランスがちょうどいい人」だと言います。
「中途採用は新卒採用と違って、『自己PRをしてください』なんてことは滅多に言わない。それを言うのは、うちの会社ではあまりに話すネタがないとき。つまり、かなりの確率でそういう人は落ちる。ほかの会社では、必ず自己紹介とPRをさせるというのもあるみたいなので一概には言えないけれど…。だからこそ、話全体がバランスよくまとまっている人や冗長に話をしない人のほうが好ましい」とのこと。
「たまに『自分のすごいところは』とか『私はこういうことができます』と、強烈にアピールしてくる人がいる。そうやってアピールしても、相手の社風にフィットするとは限らないし、配属先の部署でそのやり方が通用するとも限らない」とCさん。
「それよりは、今の会社ではどういう仕事をしていたとか、どういう数字を背負って仕事をしていたとか、どういう環境を理想としていて、うちではどういう仕事がしたいのかという話をバランスよくしてもらったほうが助かる」とのことでした。
質問の真意を読み取った回答ができる人
最後は証券会社で人事担当をしているDさん。「うちの会社は質問に対して適切な受け答えができるところを重視している」と言います。
「お客さんから質問されたとき、無駄に長く話をして結局お客さんの聞きたいことにたどり着かなかったり、話がそれたりしてしまうと信頼関係が築けない。そういう人は自分のしたい話ばかりをして相手の求める回答ができず、結果的に営業成績が上がらないことも多い」とのこと。
「そういう人は面接をしてもこちらの真意に気づけない。印象的だったなと思う人は、質問にまずはズバっと一言、『はい』もしくは『いいえ』と回答する。そのあとで、こちらの真意を汲んで補足してくれる。最初に明確に回答することでこちらもむずむずしながら話を聞かなくていいし、そういう人はたいてい補足のところで期待以上の回答をくれる。印象に残った人はほとんど、トップセールスとして働いている」と笑顔で話してくれました。
まとめ
面接という場はもちろん緊張すると思いますが、あまりガチガチになっても本領が発揮できないもの。ほどほどに肩の力を抜いて、リラックスしながら話をしたほうがよさそうです。また、同業他社への転職を検討している場合は、他社の動向にもしっかり目を向けたほうがいいでしょう。ぜひ印象の残る面接になるよう準備してみてくださいね。
大塚 ちえ