アクティブ運用は、同業他社と異なった銘柄の売買や運用手法を駆使して超過収益を上げていくのが”売り”ですから、その手の内を明かさなければならないのは致命的です。

知的財産権の保護に関しては、運用手法や戦略自体が知的財産権にもなりますので、売買実績を知られて真似されるということは、知的財産権の侵害とも考えられます。

不開示ETFの登場で流れが変わる?

アクティブETFは運用内容を開示しなければならないことで、米国市場においてもそれほど拡大してきませんでした。ただ今後は、開示に制限がかかる不開示ETFが登場することで、パッシブETFに押されているアクティブ運用全体を下支えする可能性があります。

米国では今のところフィデリティ、Tロウプライス、ゴールドマン・サックス等の運用会社が不開示ETFの設定を表明しています。

もっとも、最大のパッシブETFであるS&P500指数連動ETF(SPDR S&P 500 ETF)のパフォーマンスが2019年は+28.8%となりましたので、これを上回るアクティブ運用のハードルはかなり高いものになるでしょう。

さりながら、米国の有力運用会社は今後のマーケット拡大を俯瞰し、プラットフォーマーとしてこの新しい戦略に楔を打ち込んでおく意味があるのでしょう。

ちなみに要不要は別にして、日本では今のところアクティブETFは認可されておりません。

<<これまでの記事はこちらから>>

太田 創(一般社団法人日本つみたて投資協会 代表理事)