K子からの「突然のお願い」

ある日、K子から『家に来てほしい』と連絡がありました。

何かと思って聞くと、別れた彼氏がK子の家に残していった荷物を取りに来るのだが、不安だから同席して欲しい…というのです。

筆者はK子の彼氏と以前1度だけ、食事をしたことがありました。「あの彼と別れたのか…」と、ぼんやりと思っていたところ、続けてK子は『実は…』と、筆者に彼が既婚者であることを告げたのでした

一緒に食事をした時には、ただK子と同じ病院で働いている彼氏、としか聞いていなかったため、驚きました。驚きつつ、彼女がとても不安そうだったので、当日同席することを承諾したのです。

そして、彼がやってきて…

彼がK子の家にやってくる前日から、筆者はK子の家に泊まりました。そこで、K子から色々と話を聞いたのです。

相手が既婚者だったことを、筆者にはなかなか言い出しづらかったこと。
付き合いは約4年ほどだったということ。
実家の父の体調が優れないのは事実だがひどくはなく、彼と会う機会を増やしたくて自分で部屋を借りたこと。
今回、別れを切り出したのはK子からということ。

無理に話す必要はないと伝えたのですが、K子は少しづつですが話してくれました。

彼はK子との将来について、よく話をしてくれたそうです。でも、彼が語るK子との未来像は、すべて夢物語なんじゃないか…と思えてきてしまったK子。そして、今回の別れを切り出しました。貴重な20代の中の4年間は長すぎたとも言えます。

今までにも何度か別れ話はあり、そのたびにK子が折れて関係を続けていました。ですが、今回は彼の言葉に気持ちが揺れても、態度を変えなかったそうです。

そうしたところ、優しかった彼の態度が豹変。最近では、夜勤明けの彼女のアパート近くに見覚えのある彼の車が停まっていたり…という半ストーカー的な行為も目に付きはじめていました。

彼の荷物も病院で渡すなど、彼が自宅に取りに来る以外の方法を提案したそうですが、ただただ「自宅に取りに行く」と一点張りだったため、渋々承諾したと言うK子。そのため、彼が家に来ることに不安を覚えて筆者を呼んだということでした。

そんな話から事情を理解した筆者は、K子と共に彼を迎えることになったのです。