株式市場の振り返り-日経平均株価は2016年初の5連騰、新興市場も3日続伸

2016年5月31日(火)の東京株式市場は続伸となりました。日経平均株価は前日比+1.0%の上昇、TOPIXも+1.0%の上昇で引けています。日経平均株価は2016年に入ってから初の5連騰となりました。また、新興株式市場の東証マザーズ総合指数も+1.0%の上昇となり、こちらも3日続伸となっています。

日経平均株価は、前日比▲38円安で寄り付いた後、一時は▲79円安まで下落し、17,000円を割り込みました。しかし、前場の半ばから再び上値を試し始め、後場は17,200円前後で推移し、+183円高となる場面もありました。大引けは+166円高の17,234円で終わっています。日経平均株価は5日続伸となりましたが、これは昨年11月17日~24日に掛けて記録して以来です。

東証1部で上昇したのは1,336銘柄、値下がり475銘柄、変わらず144銘柄でした。東証1部の出来高は25億2,840万株、売買代金は2兆8,740億円(概算)となっています。9日ぶりに売買代金が2兆円超となるなど、久しぶりの活況となりました。ただ、31日はMSCIの指数入れ替えに伴う売買が加わった一過性の影響が相当にあると見られるため、まだ安心するのは時期尚早と言えます。

セクター動向と主要銘柄の動き-32業種が上昇、主力業種も満遍なく買われた印象

東証1部では全33業種中32業種が上昇しました。特に目立って上昇した業種はなく、ゴム製品、鉄鋼、銀行、電機機器、輸送用機器、機械など満遍なく上昇した印象です。個別銘柄では、ファーストリティリング(9983)、ファナック(6954)、トヨタ自動車(7203)、パナソニック(6752)等の主力株が軒並み上昇した一方で、しまむら(8227)やエーザイ(4523)などが安く推移しました。

本日の注目テーマと関連業種-安倍首相の記者会見で目を引く政策が出るか?為替相場の動向にも注意。

31日はMSCI指数(世界的に有名な株価指数)の構成銘柄入れ替えに伴い、日本株の商いが通常以上に膨らみましたが、株式相場の上昇基調が続いていることに変わりはありません。明らかに、サマー・ラリー(夏場によく見られる株価上昇、別称はサマー・バブル)に向かっていると思われます。少し前の流行語を使って表現するならば、「いつ株式投資をするのですか?今でしょ!」ということでしょう。

名実ともに6月相場入りする1日(水)は、引き続き、内需関連銘柄に注目しながら、輸出関連銘柄で下がったところを拾うことも忘れないようにしたいと思います。特に、6月中旬に日米金融政策に動きが出ることを見据えると、短期的には為替相場のセンチメントが変わる(円安へ)可能性は十分あります。1日は、安倍首相の記者会見が行われます。政策総動員の中身に注目です。

青山 諭志