今回の記事を執筆するにあたって母に連絡をしてみると、その日も『お父さんがね〜』と父の愚痴が始まりました。

不倫されたとき、なぜ離婚しなかったのか尋ねると、母はこのように答えたのです。

お父さんが不倫していたのは薄々気がついていたの。だって電話代が急に高くなったり、泊まりでどこかに出かけたりすることが多くなったし。でもあるときから急に電話代が安くなって泊まりもパタリとなくなったからね。“あぁ、不倫は終わったんだな”って思ったわけ

母が父の不倫に気がついていたことを知り、筆者は軽く衝撃を受けました。自分なら絶対に問い詰めちゃうな〜なんて思いつつ、母はこう続けます。

『離婚したいと思ったのは不倫されたからじゃなくて、結婚当初から思っていたこと。でも実際に行動を起こそうと思うと、子どものことだけじゃなくて経済的にも心配なことが多くて、結局ずるずる結婚生活を続けていた』と。

日本人にありがちな「家庭を守りたい姿勢」と「経済的不安」、その背景

母のように、本当は離婚したくても「両親揃っていた方が子どもには良いはず」「離婚後の生活が金銭的に不安」という声は筆者の周りでもよく聞きます。

このような考え方は年々変わってきてはいるものの、やはり日本では「子どものため」「お金のため」に離婚に踏み切れない人もいるのは事実。

筆者が以前暮らしていたオーストラリアでは離婚者も多く、「愛がなくなったら離婚するのが子どものためよ!」とか「お金は国の補助とパートタイムでなんとかなるわ!」と考えている現地人も少なくありませんでした。