東急不動産HD、2Qは増収減益も対通期計画では順調に推移 分譲マンションの計上戸数増加を見込む

2019年11月14日に行われた、東急不動産ホールディングス株式会社2020年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:東急不動産ホールディングス株式会社 代表取締役社長 大隈郁仁 氏
東急不動産ホールディングス株式会社 執行役員 西村和浩 氏

業績ハイライト

大隈郁仁氏:本日は当社、決算説明会にご出席を賜りまして、誠にありがとうございます。今回の説明会は新本社、「渋谷ソラスタ」での初めての開催となります。約4年ぶりに戻ってまいりました。2018年には「渋谷ストリーム」、そして今年、「渋谷ソラスタ」「渋谷フクラス」「渋谷スクランブルスクエア」が順次、竣工・開業しまして、渋谷は大きく変貌をしています。

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また、去る10月ですが、「渋谷駅桜丘口地区再開発計画」の新築工事を着工しまして、2023年度の開業に向けてスタートを切ったところでございます。ぜひお帰りに、変わりゆく渋谷をご体感していただければと思います。

さて、本題に入ります。まず、足元の事業環境認識です。我が国の経済は緩やかな回復を続けていますが、米中貿易摩擦や英国のブリグジットの行方など、先行きが不透明な状況であり、今後の国内経済への影響等が懸念されるところです。

こうした中、足元の不動産マーケットでは、好調な企業業績に伴う旺盛なオフィス需要、インバウンドによるホテル・商業需要、低金利に支えられたマンション需要など、今のところおおむね堅調に推移をしてきています。しかし先ほども申し上げましたとおり、今後の経済情勢や金利動向を注視しつつ、各事業を推進していく必要があると考えています。

では最初に、私から業績ハイライトを説明させていただきます。3ページをお願いいたします。

2020年3月期第2四半期決算は、営業収益4,125億円、営業利益317億円と、住宅・管理・仲介事業セグメントを中心に増収となりましたが、投資家向けビル等売却収益の減少等により減益となりました。分譲マンションの引渡しや物件売却が第4四半期に集中しますが、都市の新規稼働や既存事業の改善などは計画どおりで、通期計画に対しては順調に進捗しています。

2020年3月期予算は、営業収益9,300億円、営業利益820億円、当期純利益390億円と増収増益を計画し、営業収益・当期純利益は過去最高となる計画です。

株主還元は、1株あたり年間配当16.0円を計画しており、当期純利益の着実な成長により、7期連続の増配を予定しています。

今期のトピックスは、スライドに記載した3点です。

まず1点目です。足元の堅調な市況等を勘案し、この5月に見直しを行い公表した中期経営計画は、順調に進捗をしています。2021年3月期の目標である営業利益950億円、当期純利益500億円、また、新たに追加した指標であるROE8パーセント超や、EPS69.53円の達成に向け、各事業を着実に推進します。

2点目は冒頭にも申し上げましたが、渋谷駅周辺の大型再開発である3つのプロジェクトが順調に進捗をしています。今後も「(仮称)代官山町プロジェクト」や「ネクスト渋谷桜丘地区市街地再開発事業」など、ホームグラウンドである広域渋谷圏で街の魅力向上に向け、新たな事業機会の獲得に邁進していきたいと考えています。

3点目ですが、高効率事業として位置付けています、再生可能エネルギー事業への投資が順調に進捗をし、投資残高が1,000億円を超えました。東急不動産は、2019年に国際的なイニシアチブ「RE100」に加盟し、2050年までに事業活動で消費する電力を100パーセント、再生可能エネルギーとする目標を掲げており、同事業の各プロジェクトの早期稼働を目指します。

現中期経営計画も、余すところ1年半を切りました。今後も企業価値・株主価値の向上に向け、引き続き取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

それでは引き続き、決算の詳細につきまして、担当の西村よりご説明します。

2020年3月期 第2四半期決算

西村和浩氏:それでは説明させていただきます。4ページ目が、第2四半期決算の概要です。営業収益が4,125億円と、99億円の増収となりました。営業利益が317億円で5億円の減益、経常利益は261億円で17億円の減益、四半期純利益は144億円と、23億円の減益となりました。

都市事業セグメントにおける投資家向けのビル等売却収益の減少等により、減益となりましたが、冒頭で申し上げたように、当社の事業は第4四半期に集中する傾向がありますので、進捗は各事業とも順調であると判断しています。

2020年3月期 セグメント別第2四半期実績

セグメント別の増減です。スライド上段のグラフのとおり、住宅事業セグメントにおける分譲マンションの計上戸数の増加、管理・仲介事業セグメントの好調等により、営業収益は99億円の増収となりました。スライド下段の営業利益についても同様に、住宅・管理・仲介事業セグメントの好調が寄与しますが、都市事業におけるビル等売却収益の減少が、5億円の減益の要因となっています。

2020年3月期 第2四半期末BS

6ページはバランスシートの概要です。2019年9月末の総資産は2兆4,857億円で、前期末からは804億円の増加となりました。既定プロジェクトにおける工事金の支払いや新規投資等により、販売用土地建物が増加し、固定資産も既定プロジェクトを中心に投資が進んでいます。有利子負債も、投資等に伴い1兆3,994億円と、対前期末で1,096億円の増加となっています。

2020年3月期 第2四半期 キャッシュ・フロー計算書

キャッシュ・フロー計算書です。当第2四半期は、販売用不動産や固定資産への投資等に伴い、営業キャッシュ・フローが1,130億円、投資キャッシュ・フローが972億円の資金減少となりましたが、有利子負債の調達などの財務活動によるキャッシュ・フローが1,084億円と手元資金を充当しました。現金等の期末残高は831億円となっています。

スライド下段には投資実績と計画の表を記載しております。当第2四半期は、販売用土地建物では、オフィスビル・商業施設・再生可能エネルギーなどに300億円を投資しました。年間計画も900億円としております。

マンション用地の仕入れに関しては、引き続き厳選した投資スタンスのもと、176億円を投資しました。年間では450億円を計画し、パイプラインは順調に積み上がっていると判断しています。

設備投資は、既定プロジェクトを中心に839億円の投資を行っています。引き続き、「渋谷再開発プロジェクト」など既定プロジェクトへの投資を中心に、年間では1,600億円の計画としています。

2020年3月期 業績予想

8ページは2020年3月期の業績予想です。5月に発表した当初予想からは、営業収益のみ100億円増額しました。営業収益は9,300億円、営業利益は820億円、経常利益は710億円、当期純利益は390億円の計画としております。

2020年3月期 セグメント別業績予想

セグメント別の営業収益および営業利益の内訳を記載しております。営業収益・営業利益、いずれも住宅・管理・仲介事業セグメントを中心に伸長し、営業収益は対前年で281億円の増収となる計画です。営業利益は18億円増益の計画となっております。セグメントごとの具体的な内容については、後ほどご説明します。

自己資本・有利子負債の推移

自己資本・有利子負債の推移です。2020年3月期、当年度は現在開発を進めている「渋谷再開発プロジェクト」など、大型プロジェクトでの投資や新規投資等により、有利子負債は1兆3,800億円の計画となっており、対前期で902億円の増加となります。一方、D/Eレシオは2.3倍の計画ということで、維持していきたいと思っています。

株主還元

11ページでは株主還元についてご説明します。

還元方針については、安定的な配当の継続維持、かつ配当性向25パーセント以上を基本方針としております。当期純利益を着実に成長させることで増配を継続しており、2020年3月期も引き続き過去最高の当期純利益を見込む中で、1株あたり16.0円と、7期連続の増配計画となっております。配当性向は29.5パーセントとなる見込みです。

ESG経営

ESG経営について簡単にご説明します。当社グループでは2013年のホールディングス化以降、持続的成長と長期的企業価値向上を実現するため、ESGマネジメントを推進しています。スライドの右側に記載したとおり、Dow Jones Sustainability IndicesやFTSE4Good Index、MSCIといった各種インデックスの銘柄にも選定されています。

直近の新たな取り組みとしては、TCFDの提言への賛同や「RE100」への加盟などを行っています。

都市事業① 2020年3月期 第2四半期実績

13ページからは、セグメント別の概要をご説明します。

まずは都市事業セグメントです。こちらのスライドの上段が当第2四半期の実績となります。第2四半期は「渋谷ソラスタ」等、新規物件の稼動があったものの、投資家向けのビル等売却収益の減少等により減収減益となりました。

下段が2020年3月期の予想です。投資家向けのビル等売却収益の減少等を新規物件の稼動等でカバーし、増収増益の計画としております。

都市事業② 空室率・賃料の推移

空室率と賃料の推移です。空室率はスライドの赤い折れ線グラフをご覧ください。グラフの一番右端、2019年9月末は0.4パーセントと、引き続き底堅い需要を背景に低水準で推移しています。空室率は入居ベースでのカウントとなります。

平均賃料については、既存ビルでの契約改定による値上げおよび「渋谷ソラスタ」など新規物件の稼動により、2019年9月末で月坪あたり25,310円となっております。2019年3月末と比較して810円、約3.3パーセント上昇しております。

都市事業③ 主要プロジェクト

新規開業プロジェクトについてご説明します。スライド下段には「広域渋谷圏プロジェクト」をまとめました。2019年度においては、前年度末に竣工した「渋谷ソラスタ」に次いで、「渋谷フクラス」が10月に竣工し、この中の商業施設部分である「東急プラザ渋谷」は12月に開業を予定しています。

スライド上段をご覧ください。渋谷以外でも、ホテルの「なんば元町一丁目プレイス」、商業施設の「キュープラザ池袋」、オフィスビルの「神保町北東急ビル」などがすでに竣工・開業しています。2020年度には「(仮称)竹芝地区開発計画」が竣工予定です。こちらは名称が「東京ポートシティ竹芝」に決定し、11月に公表させていただきました。

2021年度以降も「(仮称)神宮前六丁目地区市街地再開発事業」や「(仮称)九段南一丁目プロジェクト」など、広域渋谷圏の内外において複数の主要プロジェクトが控えています。

都市事業④ 広域渋谷圏のプロジェクト

広域渋谷圏のプロジェクトです。すでにご案内のとおり、本年は「渋谷ソラスタ」が3月、「渋谷フクラス」が10月に竣工しました。渋谷駅南側に位置いたします「渋谷駅桜丘口地区再開発計画」は、10月に新築着工を迎え、2023年度の竣工に向けて工事が進捗をしています。

都市事業⑤ 主要プロジェクト〈渋谷ソラスタ〉

17ページは「渋谷ソラスタ」についての簡単な説明となります。こちらは当社の旧本社を含む街区一体開発となっています。緑を多用し、従業員のストレスの軽減や生産性の向上に寄与する「Green Work Style」を体現したオフィスとして、また、IoTを活用したスマートオフィスとして、変化する時代の中で新しいオフィスの価値を検証し、提供していきたいと考えています。

都市事業⑥ 主要プロジェクト〈渋谷フクラス〉

本年10月に竣工しました「渋谷フクラス」についてです。こちらは旧東急プラザ渋谷跡地を含む、再開発プロジェクトです。スライドに断面図がありますが、施設上部はオフィスビルとしてGMOインターネットさまに一括で賃貸し、商業施設部分は新生「東急プラザ渋谷」として12月5日に開業予定です。

施設最上階には、スライド右上の写真にもありますが、シンガポールのマリーナベイ・サンズにも出店しているルーフトップバー「セラヴィ」が出店を予定しています。

1階部分にはバスターミナルを整備しました。一般の路線バスに加え、羽田・成田両空港へのリムジンバスが発着し、観光支援施設も備えた、渋谷の新たな玄関口としての役割を担ってまいります。

都市事業⑦ 主要プロジェクト〈東京ポートシティ竹芝〉

2020年度開業予定の「東京ポートシティ竹芝」です。業務棟は、オフィス部分のみならず低層部の商業部分も含めてリーシングが終了しております。すでにご案内のとおり、オフィス部分はソフトバンクグループさまへの一括貸しとなっています。

住宅棟のリーシングはこれからですが、ワンルームから3LDKまで幅広く、約260戸程度となる見込みです。ビジネスマンをはじめ、クリエイターや企業家、外国人など幅広い層をターゲットとしています。

都市事業⑧ 再生可能エネルギー事業

再生可能エネルギー事業への取組み状況です。

循環型再投資事業の領域拡大の一環として、「ReENE(リエネ)」のブランド名で事業を展開しています。2019年9月末において稼働中物件が19物件、開発中物件が25件の、合計44件のプロジェクトに取り組んでおり、投資残高は1,037億円となっています。今期より収益にも寄与してまいります。

本年4月には、北海道の松前町において当社初となる風力発電所が運転を開始しました。当社は、今後も太陽光・風力などの再生可能エネルギー事業に取り組み、サステナブルな社会の実現に取り組んでまいります。

住宅事業① 2020年3月期 第2四半期実績

住宅事業セグメントです。当第2四半期の実績は、分譲マンションの計上戸数の増加等により増収増益となりました。2020年3月期の予想についても、分譲マンションの計上戸数の増加等により増収増益の計画としています。

住宅事業② マンション営業指標推移

分譲マンションの営業指標推移です。当年度は前期から428戸増の1,694戸と、売上にして1,009億円を計上する計画となっています。マンションの売上予想に対する契約確保済みの割合は、9月末時点で82パーセントと、期初の54パーセントから順調に進捗をしています。

また、2019年9月末時点における完成在庫は382戸となり、昨年度末からは着実に減少しています。

用地の取得についても、引き続き厳選した投資方針のもと、第2四半期時点におきまして176億円、1,002戸を取得しています。2021年3月期以降に計上を予定するランドバンクは、スライド右側に記載したとおり約10,000戸となっています。

スライド左下の分譲マンションの粗利率についても、2020年3月期の粗利率は22パーセントということで、若干上向いている計画です。

管理事業① 2020年3月期 第2四半期実績

続いて、管理事業セグメントです。当第2四半期の実績は、マンション・ビルともに管理ストックが拡大したことに加え、工事完工高の増加により増収増益となりました。

2020年3月期の予想についても同様に、管理ストックの拡大、工事完工高の増加に加え、4月より次世代・関連事業セグメントから(株)東急Re・デザインへ、戸建リフォーム事業を移管したことなどにより、増収増益となる見込みです。

管理事業② 物件ストック状況

管理ストックの状況です。スライド上段はマンション管理戸数です。9月末のマンション管理戸数は約842,000戸と、前期末から約10,000戸の増加となっています。スライド下段はビル等の管理棟数ですが、こちらも9月末で1,562件と順調に拡大しています。

仲介事業① 2020年3月期 第2四半期実績

仲介事業セグメントです。当第2四半期の実績は、売買仲介のリテール部門の好調に加え、バルクの買取再販、収益不動産の計上増等がありましたので、増収増益となっています。2020年3月期の予想は、引き続き売買仲介、とくにリテール部門の好調を見込み、増収増益の計画としています。

仲介事業② 売買仲介営業指標

売買仲介の営業指標です。スライド上段左側が当第2四半期の実績です。リテール部門における取引件数・平均取扱価格の上昇や、ホールセール部門における取引件数の増加等により、増収となっています。

スライド下段の右側、2020年3月期の予想については、引き続きリテール部門を中心に、取引件数・取扱高の増加による増収を見込んでいる計画です。

ウェルネス事業① 2020年3月期 第2四半期実績

こちらはウェルネス事業セグメントについてのご説明となります。第2四半期の実績は、東急ステイ等の新規稼働等があるものの、前期に計上した「東急ハーヴェストクラブ軽井沢」の共有持分の引渡しの剥落等により、減収減益となっています。2020年3月期の予想についても同様に減収減益の予想としております。

ウェルネス事業② 主要プロジェクト

ウェルネス事業セグメントの主要プロジェクトについてまとめています。高稼働率を維持している都市型ホテルの「東急ステイ」の開業が続き、2019年3月末には24施設、3,687室の規模まで拡大しました。

本年度末、2020年3月期には、金沢・那覇・大阪などの開業も含め27施設、4,310室となる見込みです。さらに2021年3月期、来年度の中計最終年度には、当初目標としていた4,400室を上回り、4,700室となる見込みでめどが立っている状況です。

さらに、シニア住宅の「クレールレジデンス横浜十日市場」が2019年4月に開業するなど、さまざまなアセットタイプについても取り組んでいます。

ハンズ事業 2020年3月期 第2四半期実績

ハンズ事業セグメントについてです。当第2四半期の実績は、新規店舗の寄与に加え既存店舗も改善が見られ、増収増益となっています。2020年3月期の予想についても同様に、増収増益の計画としています。

次世代・関連事業① 2020年3月期 第2四半期実績

最後に、海外事業等で構成されている次世代・関連事業セグメントについてご説明します。

当第2四半期の実績は、インドネシアにおける分譲マンションの計上が続いたものの、戸建リフォーム事業の管理事業セグメントへの移管や、海外における物件売却の減少があったため、減収減益となっています。2020年3月期の予想も同様に、減収減益の計画としています。

次世代・関連事業② 海外事業

海外事業での取組み状況です。スライドの左側がインドネシアにおけるプロジェクトで、すでに引き渡しが始まっています「BRANZ BSD」「BRANZ Simatupang」など、4プロジェクトを紹介しています。スライドの右側は北米の「425パーク・アベニュー」で、オフィスビルの再開発プロジェクトとなっています。

以降は参考資料となってございますけれども、説明は省略をさせていただきます。説明は以上となります。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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