新型肺炎拡大のニュースで、世界でリスクオフの動き
2020年1月24日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より31円74銭高の23,827円18銭となりました。
中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎拡大が不安視され、香港や中国・上海の株式相場が大きく下落。中国政府がウイルスの感染拡大を防ぐため、公共交通機関の運行を停止したことから、人やモノの動きが滞り、経済活動が停止するのではないかと懸念されています。
また、日本市場では、中国からの訪日客(インバウンド)需要が低迷するのではないかと心配されます。
今週以降はどのような展開になるでしょうか。新型肝炎の感染者は、中国本土だけでなく、米国や欧州、日本などで発見されています。そのほとんどが武漢に行ったことのある人です。
24日には、米疾病対策センター(CDC)が、米国イリノイ州で2人目の感染者が見つかったと発表。投資家の間に、米国内での感染が広がるのではないかと懸念が強まり、同日の米株式市場でダウ工業株30種平均は、前日比170ドル36セント安の28,989ドル73セントとなっています。
ダウ平均は8月2日以来の4日連続の値下がりで、目先意識されやすい29,000ドルも割り込みました。また、同日の下げ幅は一時300ドルを超えました。
ただし、世界保健機関(WHO)の緊急委員会は、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を見送りました。インフルエンザなどに比べ感染力は低いとの判断のようです。
もちろん楽観はできませんが、だからといって安易に売りに走るのも早計です。中国経済の影響も中期的な視点で見極めたいところです。一方、国内ではマスク、防護服などのメーカーの株が買われています。個別銘柄での判断が求められます。
ただし、売買が細っているのは少し心配です。24日の東証1部の売買代金は、1兆8104億円で、5日連続で2兆円を下回りました。「しばらく様子見」になる海外投資家も多いと思われます。