新興株市場の振り返り-小動き

2016年5月27日(金)の新興株式市場は小動きでした。JASDAQ指数は▲0%の小幅安、東証マザーズ総合指数は+0.3%の小幅高でした。TOPIXは+0.5%にわずかですが及びませんでした。

東証マザーズ総合指数は2016年2月以降、動きの鈍ったTOPIXを尻目に急騰しました。しかし4月中旬から5月初旬にダブルトップを付けたあとひところの勢いを失っています。この日も寄り付きから10時過ぎまで上昇しましたが、その後は引けまでだらだら下げて終わりました。ローソク足(日足)は陽線ではありますが、上髭が長く戻り売り圧力を感じます。

商いも細っています。27日の出来高は6,910万株、売買代金は約1,549億円といずれも前日比減少しました。値上がり銘柄数76、値下がり銘柄数132、変わらず14銘柄でした。

マザーズ御三家は上昇したが、アキュセラが再びストップ安

時価総額トップ3のミクシィ(2121)は+1%、そーせいグループ(4565)は+2%、CYBERDYNE(7779)は+1%といずれも堅調でしたが、アキュセラ(4589)は▲14%下落しました。連日のストップ安が続きます。

個別では、インベスタークラウド(1435)が+4%上昇しました。不動産投資型クラウドファンディング第一号物件が決まったことを手掛かりに2連騰しています。リミックスポイント(3825)は+27%と急騰しました。子会社ビットポイントがビットコイン等仮想通貨取引所サイトを開設したことが材料です。sMedio(3913)はIoTゲートウェイ機器向けソフトウェアソリューションの販売を材料視し+18%上昇しています。また、ソネット・メディア・ネットワークス(6185)は人工知能とデータマネジメントプラットフォームを活用した新商材を材料視し+17%上げました。

一方、ブランジスタ(6176)は▲9%と引き続き大幅な下落をしました。

5月30日の着目点

5月27日の東京市場全体を見渡すと、筆者には中国で「パズドラ」の登録を開始したことを材料視して+30%上昇したガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)、そして外資系証券の投資判断引き上げで+10%上昇した東芝(6502)が目に付きます。いずれも東証1部銘柄です。このように1部の銘柄が動意しはじめるなかで新興株市場がエネルギーを維持できるのか、しばらく調整に入るのか、見極める局面と言えそうです。とはいえ民泊、AI、フィンテックなどのテーマは繰り返し囃されると思いますので、新興株市場においては従来以上に銘柄選別が進みそうです。

LIMO編集部